インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

早くも山場

  今日はこの街の超巨大企業で責任者が勢揃いする会議。今回の出張で一番緊張するであろう局面が、早くも二日目にして巡ってきた。しかも関連資料は当日の朝手渡されるといういつもながらの展開。加えて、上海から中国側にアテンドしてきたこの会社の社員(日本語が堪能な中国語ネイティブ二名)が同席し、日本側のトップは中国法人の役員も務めていて自己紹介は楽にこなせるくらいの中国語通。通訳しにくいったらありゃしない。
  今日一番嬉しかったのは、昼に出たお弁当。さすが役員出席の会議、仕出し弁当ながら朱塗りのお重に入ったそれはまあ端正な純和風。味付けもとことん上品かつ滋味豊か。うまひ〜。新鮮さが失われないよう、重箱の内側に小さな保冷剤まで添えられていた。
  日本人の私は思わず顔がほころぶ弁当だが、中国側はそうでもなさそう。そりゃそうだ。彼らにとって、ご飯やおかずは基本的にみな「ほっかほか」であるべきもの。ただでさえ冷え切っている日本式弁当なのに、ごていねいに保冷剤までついているのだから。日本人の感覚に置き換えてみれば、折り詰めの寿司を「レンジでチン」して供されるようなものかもしれない。弁当に添えられた缶入りの緑茶が温かかったのが唯一の救いか。