インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

通訳スクール

  記念式典のスピーチを五本ほど練習。音源がないので、生徒が交代でスピーカーになり、ほかの生徒が訳す。「あみだくじ」で当たった私の担当スピーチは、宋楚瑜が2005年に大陸の黄帝陵を訪問した時のもの。“炎黃子孫不忘本,兩岸兄弟一家親”だって。わはは、私にはたいがいこういうのが当たるんだよなあ。
  式典のスピーチは型にはまった表現が多いからと油断していたら、とある大学の建学六十周年記念式典のスピーチでは、四文字でたたみ掛けるような表現が頻出してうろたえる。

求真務實、自由民主、開放兼容、隆法明紱、與時俱進為核心的精神,在學科建設、人才培養、科學研究、成果轉化、社會服務、師資隊伍、醫療衛生、國際合作、管理體制等各個方面……

  ……などという、わざと中→日通訳者をいじめてるとしか思えない漢字四文字のオンパレード。もともと中国語は日本語に比して文字数あたりの情報濃度が高いというのに、ここまで煮詰められちゃ、逐次通訳はまだしも、同時通訳になると確実に置いてけぼりになる。
  “隆法明紱”ってのは何だ? 「法を尊び、徳を重んずる」くらいの意味か。これでも原文に比して2.5倍の長さになっちゃう。