「よなよなエール」をはじめとして、「インドの青鬼」「水曜日のネコ」「裏通りのドンダバダ」などおもしろい名前のクラフトビールを次々につくっているヤッホーブルーイングさんが、ついに低アルコールのビール(というか「飲料」ですか)「正気のサタン」を発売されたというので、飲んでみました。
https://yohobrewing.com/satan/
ソバーキュリアスという言葉に出会い、それまで浴びるように飲んでいたお酒をふっつりと飲まなくなって一年。先日は「一周年記念」でまたワインやビールなどを飲んでみました。もとより「断酒」じゃないので、飲みたいときには飲むのです。でも、素直に「お酒はもう飲まなくていいかな」という気持ちに。飲まないでいるほうが心地よく感じられるのです。
とはいえ、特に夕飯時など、何か飲み物がないとつまらないので、この一年間はいろいろなノンアル飲料を探しては飲んできました。その結果、炭酸水がいちばんおいしいという結論に至ったのですが、それはさておき、ノンアルビールも最近さまざまなメーカーから新製品の登場が相次いでいます。
ただ、正直申し上げて「ビール」と称するには少々無理があるというのが現状です。もちろんお酒を飲む気がないんですから別にビールにことさら寄せなくてもいいんですけど、それ以前に味としてどうかというものがほとんど。原材料などを見ても、よく分からない甘味料や添加物がけっこう入っていて、それも敬遠する要素になっています。
一方で海外ではかなり前から「クラフト・ノンアルビール」の開発が進んでいたようで、私もそのうちのいくつかを飲んでみましたが、こちらは確かにおいしいです。ただ、お値段がいささか張って、日常使いにはどうかなという感じ。そこに登場したのがこの「正気のサタン」でした。
いまのところセブンイレブン限定発売だそうですが、希望小売価格は218円。通常のビールとほぼ同じです。しかも味がかなりいいのです。個人的にはもっと甘みが感じられる方が好きですが、これはIPAを念頭につくられたということで、その前提で飲むとこれは確かにIPAの系統ですし、柑橘系のフレーバーも感じられます。
というか、「正気のサタン」のオフィシャルページを拝見して分かったのですが、これはビール風につくった飲料ではまったくないんですね。かなり長文の開発秘話が載せられており、そこには「よりクラフトビールらしくおいしいフレーバーにするために、脱アルではなくクラフトビールと同じ製法で1%未満の低アルコールドリンクの開発」を目指したと書かれていました。しかも……
アルコール0.00%のノンアルコールビールテイスト飲料は、簡単にいうとビールのフレーバーを混ぜて、ビールっぽい味の飲料をつくるというプロセスなのですが、僕らは調合師ではないのでどうにも気が乗らなくて。
海外からも、さまざまな種類のビールを取り寄せて試飲しました。だけどほとんどのものは、こげた麦茶臭みたいなものが強くて、そういうのをごまかすためにいろんな香りを足している。(中略)ヤッホーがつくるのはこれじゃない、というのが続いていて。僕らはやっぱり王道のIPAでいきたかったんですよね。
そうそう、そうなんです。こういう商品を待っていたのです。いいとこ突いてこられますね。まだいまは限定先行販売の段階ですけど、ぜひ通常のラインナップとしていつでもどこでも買えるようになってほしいなと思います。