Twitterでこんなツイートを読みました。
#欧米 では、といいますが、欧米内でも各言語によって”Greek”に当たる「難言語」は違うのです。#スペイン語 では「#中国語」だし。#現代ギリシャ語 では #アラビア語 のようですが、#古典ギリシャ語 ではなんだろう?βάρβαρος? https://t.co/UT1mI1NFl6 pic.twitter.com/wgN3lRoJPy
— わややぁ (@sappawayya) March 15, 2021
この図が面白いですねえ。多くの言語から矢印が集まっているギリシャ語は、ようするに「ちんぷんかんぷん」というニュアンスを与えられているんですね。
いっぽうで、欧州の諸言語から中国語に矢印が集まりまくってるのも面白い。やはり中国語や中国文明というのは、欧州から見るととてもエキゾチックで自分たちとは全く異なるもの、というイメージなんでしょう。バルトークの『中国の不思議な役人』を思い出しました。もちろんこういうレトリックって、差別的な言辞と紙一重ではあるんですけどね。
英語の慣用句“All Greek To You”は「ちんぷんかんぷん」とか「さっぱり分からない」という意味で、シェイクスピアの台詞にも登場し、おそらくそれ以前から使われていた古い言い方だとこちらの記事に載っていました。
この図では、フィンランド語における「ギリシャ語」にあたるものは“Hebrew(ヘブライ語)”となっています。それでフィンランド語のネット辞書で“heprea(ヘブライ語)”を引いてみたら、まさに「ヘブライ語 · ちんぷんかんぷん · 美辞麗句」と載っていました。ノルウェーやスウェーデンなど他の北欧諸語はギリシャ語に矢印が向いているのに、フィンランド語はなぜヘブライ語に向いているんでしょう。これも深く調べてみると面白そうです。
ところで日本語にはそういう表現はありませんよね。日本語にとっての「それ」は何語かな。「ちんぷん漢文」でやっぱり中国語ですか。