インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

オンライン授業をどうする?(その3)

ここ数日、同僚とZoomなどで意見交換しながら、オンライン授業をどうするか模索してきました。学校側からは、まずこの4月中はもちろん登校しての対面授業は不可能なので、学生になにか課題を出してほしい、さらに5月中もおそらく不可能になりそうなので、その対応も考えてほしいとだけ言われています。ほとんど「丸投げ」のようですけど、学校側だって初めての経験で何もかも手探りなんですから「これこれこうしてください」と明確に指示が出せないのは仕方がありません。私が学校の教務担当でもたぶんそうなると思います。

ネットで様々な学校の取り組みを拝見していると、いずこも似たりよったりのようですね。もちろん学校によって、通信環境が充実しているところ、遠隔授業に早くから取り組んできたところ、学校の教務や教師にこうしたICTに詳しい人がいるところ、あるいはそのどれもがまだ今ひとつなところ(残念ですが、うちの学校です)など様々ではありますが、通学しての授業が本来であるところにこの「一斉自粛」。抱えている困難の本質はそれほど違わず、だからこそみなさん知恵を絞って模索されている。私たちも見習わなければなりません。

というわけで、まずはこの4月中の授業に代わるものとして、課題を出し、その提出をもって授業、ひいては単位にかえるという前提で動き始めました。本来の授業時間(うちの場合は週5日✗5時間=合計25時間)からすればかなりボリュームが減りますが、いまは非常時ですからあれこれ言っている場合ではありません。減じた分はあとから補習でも長期休暇の取り崩しでもして対応することとして、とりあえずは少しでも前に進もうということになりました。

この、一種の「割り切り」はオンライン授業を進める上で、特にその初動においてはとても大切なマインドセットではないかと思います。本来の授業をまるまるオンライン授業に切り替えるというのはどだい無理(少なくともその初動では)なのです。何もかもスイッチさせようとして膨大な準備に忙殺されるよりは、とりあえず・できることから・少しずつ。というわけで、私たちは学校が利用を推奨しているGoogle Classroomをメインのプラットフォームとして、「課題→提出」をやってみることになりました。Zoom等を利用した「同期型」の授業構築より先に「非同期型」を進めていくということです。

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https://edu.google.com/intl/ja/products/classroom/?modal_active=none

Google Classroomは「採点」などの学生管理機能もありますけど、とりあえずはごくごく大雑把に、学生とのやり取りをするプラットフォームとして使ってみるつもりです。これまでは各教師がメールで学生とやり取りをしていましたが、それだと学生にとっては五月雨式にいろいろな指示が舞い込んでくる上に、他のメールとも混ざって自己管理がしにくくなりそうです。また時系列に沿ってどんな課題が出てどのように対応したかも把握しにくいですし、全体で共有するにも限度があります(CC.などで共有はできますが)。

そこで、教師も学生もとりあえずはひとつのプラットフォームに集まって、全体がどう動いているのかを俯瞰しつつ、では自分はいま何をすればいいのかを把握できるようにしたいと思ったのです。Google Classroomは、本来は教師がそれぞれ自分の担当する授業のクラスを設定して、そこに登録した学生とインタラクションをするためのもののようですが、教師も学生もまだこの非常時に慣れていない段階なので、とりあえずは一元的に利用しよう、そしてオンライン環境に体が馴染んできたら次の展開を模索しようと思っています。

ただ留学生の中には帰省したまま母国にとどまっている(日本に再入国できないでいる)人も若干名いて、特に中国の留学生は国内でGoogle系のサービスを使うのは難しいので、そこは個別にメールなどで対応することになりそうです。

その次の段階としては、ずっとメールやGoogle Classroomでの、いわば「お互い無言」での非同期型のやり取りばかりでは学習のモチベーションが下がりそうな気がしているので、Zoomなどを使って教師と学生がリアルタイムで顔を合わせ、声を掛け合うということをしたいですね。同期型の授業に移行するというよりは、その前段階としてとりあえずはネット上でホームルームを開催するような感じで。

さらにその次は、教師が映像で講義なりレクチャーなりをするのと「課題を出し→提出させる」を組み合わせた授業に移行し(これもまだ非同期型)、その先に同期型の授業のあり方を模索していく……といったような里程標ですか。Zoomをやっていて思ったんですけど、自分ひとりで会議設定して、画面共有しながらパワポ見せたりホワイトボードで板書したりして、それを全部録画して保存し、動画サイトにアップなんてのはかなりお手軽にできそうです。

……しかし。

こうやってあれこれ対応策を考えてやっていくのはもちろんいいんですけど、今回の非常時に鑑みて、教育界全体が半年なり一年なりモラトリアムに入って、今秋とか来春から仕切り直しってのはできないのかな、とも夢想します。もちろんそこでは、非常勤の先生方の収入をきちんと確保するという大きな課題がありますが。

若いときほど生き急ぐものだから、そんなの耐えられない!ってみんな言うかな? 歳を取ってみると、半年や一年のモラトリアムなんてな〜んてことない(というか、むしろ必要なくらい)なんですけど。

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https://www.irasutoya.com/2016/09/blog-post_298.html