インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

初詣で招き猫を買う

ここのところ何年も、初詣は近所のお寺に行っています。私としては、ふだん自分は何の信仰心も持ち合わせていないくせに、お正月だからって「一年の平安無事」を祈るというのも厚かましいような気がします。でも私の妻はこういうことにけっこううるさい、もとい、こだわる人で、お墓参りにもこまめに出かけるし、安全祈願の御札をもらってきては恵方に向けて飾るし、もちろん初詣も「家でぬくぬくしてたい」とぐずる私をたしなめ、連れ出します。

というわけで今年もお参りしてきました。ここは招き猫で有名なお寺で、お寺のウェブサイトによると、鷹狩りから帰る途中のあるお殿様が、門前にいた猫に手招きされてこの寺に立ち寄ったとたん雷雨に見舞われ、その難を逃れたことを感謝して「幸運を招く猫」として祀った……という由来があるのだそうです。

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それでこのお寺にお参りしたあとは、御札がわりに招き猫を買って帰り、一年の無事を祈る(あわよくば福も招く)というのがうちの、というか妻の恒例行事になっています。最初は慎ましくいちばん小さな招き猫を買っていたのですが、年々欲が深くなっていくのか、より大きいサイズを買い求めるようになり、ついに数年前にはいちばん大きな「尺(しゃく:5000円也)」というサイズに到達しました。

そんなわけでうちの本棚にはでっかい招き猫が鎮座ましましていて、つねに我々を見下ろしています。そして毎年の初詣のたびに一年間福を招き続けてくれたお猫様を寺に奉納し、新たなお猫様を買って帰るのです。去年とまったく同じ「尺」のお猫様を買ってくるわけで、私が「なんだか、もったいなくない? 買い換えるのは数年に一回でもいいんじゃない?」と言ったら「そういうもんじゃないんだ」と言下にしりぞけられました。

円内が奉納してきたお猫様。一年間ありがとうございました。