インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

ローソンの新しいデザイン

昨日は餃子を作ろうとしてキャベツを刻み、これを塩もみしようと思ったらなんと塩が切れていました。何たる失態。それで近所にあるローソンへ塩を買いに行きました。よくある卓上塩の小瓶しかなかったのですが、まあこれでよしとしましょう。……と、何となく店内に静かな雰囲気を感じてよく見たら、ローソンのプライベートブランドのパッケージが何だかベージュ色をベースにした可愛くてシンプルなデザインになっていました。

ネットで検索してみたら4月頃からリニューアルされたようです。日頃、コンビニエンスストアというものをあまり利用しないのでいまさらながらに気づいたのでした。

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ネットではこのデザインについて「賛否両論」が起こっているということも知りました。へええ。私はシンプルでいいデザインだなと思いましたが、ぱっと見て何の商品だか分かりにくいとか、文字が小さすぎて読みにくいという意見があるそうです。なるほど、私もかなり老眼が進んでいますから、その気持ちは分かります。

中には、中国語の簡体字や韓国語のハングルが併記されていることに噛み付いているヘイトスピーチまがいの意見もありました。差別や偏見は言語道断ですが、これは少々奥の深い問題だなと思いました。例えば私は、駅のサインシステムなどにやたら外語表記が増えていくのは一瞬の可読性などの視点からはあまり良くないのではないかと思っています。それでも日本語に加えて、英語・中国語・韓国語の表記が入るのは、特に東京のような都市ではスタンダードになりつつありますし、コンビニなどでちょっと手にとった商品が何かわかるというのはけっこう便利なんじゃないかな、とも思い直しました。

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賛否両論の「否」で散見されたのは「デザインの敗北」というキーワードです。これはデザイン(というか、デザイナーの独りよがりな「かっこよさ」追求)が機能により良く寄り添っておらず、かえって使い勝手が低下してしまっているデザインを批判する言葉です。こちらにとても興味深い記事がありました。

note.com

このうちのいくつかは、実際に私も遭遇したことがあって、確かに分かりにくくて混乱した覚えがあります。今でもよく覚えているのは、JR市ヶ谷駅にかつてあった改札。これは改札自体の「デザインの敗北」というよりは、JR・東京メトロ有楽町線南北線都営地下鉄新宿線の乗り換え口という場所がもたらした混乱に、サインシステムのデザインが対応しきれていなかった「敗北」です。でもこの改札は、その数カ月後には下のように「改善」されていました。

こういう、人々の行動を自然に導くデザインというのは、とても難しく奥が深いものなんですね。上述のローソンのデザインについては、とても興味深い解説をされている方がいました。

note.com

私はこの方が述べておられる「これでいい」から「これがいい」というほんの少しの上質さを目指したというの、とても腑に落ちました。普段はあまり立ち寄らないコンビニで「卓上塩」を買ったついでに、その近くにあったオリーブオイルで揚げたというポテトチップスを「これがいい」と惹かれて買ってしまいましたもの。

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