これまでに学んだ内容も含めて、場所に関する格の作り方(の一部)をまとめて教わりました。場所に関する格といえばこれまでに「内格(ssA)」、「接格(所格)(llA)」、「出格(stA)」を学びましたが、フィンランド語にはまだまだあるそうです。表にまとめると、こんな感じ。
内部格 | 外部格 |
内格(ssA)〜の中に/で | 接格(llA)〜の上に/で |
出格(stA)〜の中から | 離格(ltA)〜の上から |
入格(?)〜の中へ | 向格(lle)〜の上へ |
このうち入格だけは格語尾が「?」になっていますが、これは単語によって作り方が変わるからです。逆にその他の五つは、これまで習ってきたのと同じように格語尾を作ることができます。そして格語尾の作り方の違いは大きく分けて、①属格や対格、複数主格などを含めてほとんどの格語尾に共通した作り方、②分格の作り方、③入格の作り方……の三つになるそうです。
例えば「laatikko(箱)」という単語だったら……
語尾は「ie子」以外なのでそのまま、かつ「kk→k」の変化で語幹は「laatiko」。そこに「n」や「t」や「ssA」や「llA」や「stA」や……をつけていくのが①のパターン。
②の分格は語尾が A / tA / ttA と3パターンあるのでした。「laatikko」の場合最後が短母音なので語尾は a 、しかも kpt の変化はないので、「laatikko + a = laatikkoa」で、例えば「kaksi laatikkoa(二つの箱)」。
③の入格も作り方が3パターンあります。まず語幹は語尾が「ie子」以外なら単語をそのまま用います。その上で……
1)語幹最後の母音を伸ばし、n を加える。
例えば「kirkko(教会)」なら「kirkkoon(教会の中へ)」。
2)語幹に h + 語幹最後の母音 + n を加える(一音節の単語の場合)。
例えば「maa(国)」なら「maahan(国の中へ)」。
3)語幹最後の母音を伸ばし、seen を加える(複数音節の場合)。
例えば「lentokone(飛行機)」なら「lentokoneeseen(飛行機の中へ)」。
……なんだか大変なことになってきました。でも入格も分格同様 kpt の変化は起こらないんですね。語尾が「ie子」の時は変化に従った語幹を求めてから格語尾をつけます。
例えば「suomi(フィンランド)」なら語幹は「suome」、そこに1)の変化が加わって「suomeen(フィンランドの中へ)」。「Helsinki(ヘルシンキ)」なら語幹は外来語なのでそのまま「Helsinki」*1、そこに1)の変化が加わって「Helsinkiin(ヘルシンキの中へ)」同じパターンで「Tokio(東京)」なら「Tokioon」、「Turku(トゥルク:フィンランドの地方都市)」なら「Turkuun」になります。
Minä menen Helsinkiin.
*1:首都名なのに外来語由来の言葉なんですね。