インタプリタかなくぎ流

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フィンランド語 109 …tOn形容詞

フィンランド語の教室は、二冊目の教科書も終りが近づいてきました。先生によると、この二冊目が終わると文法事項はほぼ学び尽くしたことになるそうで、あとはひたすら語彙や熟語などを増やし、読解と聴解と発話に明け暮れるだけなんだそうです。もっともこれまでに学んだ文法事項がすべてきちんと消化できていなければならないわけですが。いまは少々消化不良気味なので、復習もしていかなければなりません。

先週の授業では「tOn形容詞*1」というのを学びました。フィンランド語で語尾に“ton/tön”がつく形容詞は「〜がない」「〜でない」というような意味を持ちます。これまでにも“naimaton(結婚していない=未婚の・独身の)”とか“nimetön(名前のない=無名の)”といった言葉が出てきました。この形の形容詞は、名詞や動詞から派生して作られていることが多いようです。

「tOn形容詞」の作り方は、名詞なら語幹を求めて“ton/tön”をつける、動詞なら“vat/vät”の形にして“maton/mätön”をつけるだけです。

palkka(給料)→ palka → palkaton(無給の)
asua(住む)→ asuvat → asumaton(住んでいない)

この「ton形容詞」を使って例えば“asumaton talo(空き家)”とか“asumaton saari(無人島)”などの語彙が増えていきます。なるほど。

yö(夜)→ yötön(夜のない) ※ yötön yö(夜のない夜=白夜)
avata(開ける)→ avaavat → avaamaton(開けていない) ※ avaamaton kirje(未開封の手紙)
näkyä(現れる・見せる)→ näkyvät → näkymätön(見えない) ※ näkymätön mies(透明人間)

「ton形容詞」も形容詞である以上、格変化をします。授業では以下のような例文を学びました。

Minä en halua tehdä palkatonta työtä.
私は無休の仕事をするのはいやです。

“työ(仕事)”が単数分格になっているので“palkaton”も単数分格になっています。以下、同様に格変化をきちんとさせて、こんな例文が出てきました。

Se on uskomatonta!
それは信じられません!
Minä juon rasvatonta maitoa.
私は無脂肪牛乳を飲みます。
Aurinko paistaa pilvettömältä taivaalta.
雲のない空に太陽が輝きます。

子音で終わる単語の単数分格は最後に“tA”をつけるだけなので、“〜tonta”で終わりですが、語幹を求める格はかなり変化が激しいです。例えば“pilvetön(雲のない)”は“tön”が“ttömä”になり、さらに 格の“ltä”がついています。ちなみに“taivas”は「空」の意味のときは“llA, ltA, lle”をとり、「天国」の意味のときは“ssA, llA, 入格”をとるそうです。先生が、フィンランド語は単語の「おしり」、つまり語尾が様々に変化して目印になっている言語で、その目印を分析することが大切だとおっしゃっていました。確かにそうですね。

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Minä juon alkoholitonta viinia.

*1:ton と tön の二種類があるので、真ん中の「オー」を大文字にしています。