フィンランド語の教室は、ここのところ先生の指示で語形変化や文法の再確認が続いています。先日確認したのは「分格」の作り方です。先生によれば、フィンランド語の文型はつまるところ以下の四つに分類されます。
① A olla B(AはBである)の文
② 所有文・存在文
③ 他動詞(目的語をとる)の文
④ 自動詞(目的語を取らない)の文
このうち、上から3つまでは目的語が登場しうる上に、その目的語は多くの場合、分格(単数・複数)になります。実際に見てみます。
① A olla B(AはBである)の文
Kissa on valkoinen. 猫は白い。…加算/単数主格
Maito on valkoista. 牛乳は白い。…不可算/単数分格
Tämä on kissa. これは猫だ。…加算/単数主格
Tämä on maitoa. これは牛乳だ。…不可算/単数分格
Kissat ovat valkoisia. 猫たちは白い。…複数/複数分格
Nämä ovat kissoja. これらは猫だ。…複数/複数分格
Kesällä päivät ovat pitkät. 夏は日が長い。…全て/複数主格
Meitä on kolme. 私たちは全部で3名だ。…合計数/単数主格
② 所有文・存在文
Pöydällä on kirja. 棚に1冊の本がある。…ひとつ/単数主格
Pöydällä on kaksi kirjaa. 棚に2冊の本がある。…数詞つき/単数分格
Pöydällä on kirjat. 棚に1組の本がある。…ぜんぶ/複数主格
Pöydällä on kirjoja. 棚に何冊かの本がある。…いくつか/複数分格
Lasissa on vettä. グラスに水がある。…不可算/単数分格
Minulla ei ole kissaa. 私は猫を(1匹)飼っていない。…否定/単数分格
Minulla ei ole kissoja. 私は猫を(数匹)飼っていない。…否定/複数分格
Minulla on nälkä. 私はお腹が空いている。…身体的特徴/単数主格
③ 他動詞(目的語をとる)の文
Minä juon kahvia. 私はコーヒーを飲む。…不可算/単数分格
Minä juon kupin kahvia. 私は1杯のコーヒーを飲む。…不可算/単数分格
Minä juon kahvin. 私はそのコーヒーを飲む。…限定/単数対格
Minä luen (yhden) kirjan. 私は本を1冊読む。…ひとつ/単数対格
Minä luen kaksi kirjaa. 私は本を2冊読む。…数詞つき/単数分格
Minä luen (kaikki) kirjat. 私は本を全て読む。…ぜんぶ/単数対格
Minä luen (paljon) kirjoja. 私は本を何冊か読む。…いくつか/複数分格
Minä luen kirjaa. 私は本を読んでいる。…進行形(継続動詞)/単数分格
Minä luen sanakirjaa. 私は辞書を引いている。…一部/単数分格
Minä syön kalaa. 私は魚料理を食べる。…不可算/単数分格
Minä en juo kahvia. 私はコーヒーを飲まない。…否定/単数分格
こうやってみると、目的語に分格(単数・複数)が登場する割合がとても高いことが分かります。つまり私たちが文を紡ぎ出す際、分格を瞬時に作り出せることがかなり大切だということですね。また目的語は名詞のことが多い(että以下の文章ということもあります)ですが、名詞を修飾する形容詞も同じ格になります。つまり名詞と形容詞は、何はさておき瞬時に分格にできる必要があります。
というわけで、これまで作りためてきたエクセルの単語帳を使って、名詞と形容詞を片っ端から分格にしていく練習をはじめました。
ひとつひとつ辞書で正解を確認しています(ネット辞書には格変化表がついています)が……う〜ん、けっこう間違いますね。間違ったところは分格の作り方をおさらいして正しい綴りにした上で赤くしました。次にもう一度作るときに今度は間違えないかどうかの参考にしたいと思っています。