インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

E75号線を北上してみたい

人生の残り時間を少なく感じてからというもの、たいした蓄えもないのに毎夏せっせと旅行に出かけていました。でも昨年はコロナ禍で果たせずじまい。今年の夏も、特に海外へ行くのはたぶん無理でしょうね。それで時々Googleマップを眺めては、旅への想像を膨らませています。

以前は海外へ行くと、賑やかな都市ばかり回りたいと思っていたものですが、中年にいたって人混みが極端に苦手になってしまってからは、とにかく人の少ないところばかり選んでいくようになりました。人が少ないどころかまったくいないところは、これはもう旅行というより冒険で、それなりの装備も必要になりますし、リスクもあります。そこまで「人跡未踏」の地を訪れる気は(勇気も)ないので、そこそこに小さな街があって旅館や食堂くらいはあるところに行くーーという点はいたって「へたれ」で「ユルい」旅。でも、そういうのがいいなあと思うようになりました。

それで、ここ数年は台湾の離島ばかり選んで旅行したり、フィンランドでも車を借りて田舎ばかり回っていました。次に出かけることができるようになったら、またそういう場所に行きたいと思っています。

先日たまたまフィンランドの北の地方をGoogleマップで眺めていました。このあたりはラップランドと呼ばれる地域で、冬は雪と氷と白夜に閉ざされて旅行するのはかなり大変そう。ましてやレンタカーでなどは無理だと思います。が、真夏ならたぶん快適に旅行できそうです。快適というか、むしろ寒いくらいかもしれませんけど。

以前に真夏のフィンランドを旅行したときは、その湿度の低さと、湿度の低さから来る視界の透明さ(遠くまでクリアに見通せる)が本当に心地よかったです。ラップランドで、サンタクロースの故郷として知られる一番有名な街・ロヴァニエミからさらに北上すると、ソダンキュラ、イナリといった街を通り過ぎ、やがてノルウェーとの国境の街、ウツヨキに達します。

これらの街はEUの幹線道路「E75号線」に沿っていて、このE75号線はノルウェー側に入ってから東進して、やがてバレンツ海に出ます。その終着点はヴァードーという街です。

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Googleマップでは「バルデ Vardø」と表記されているこの街は沖合の島にあり、ノルウェー最東端の街らしいです。対岸から車も走れる海底トンネルでつながっているもよう。おお、ここまで車で行ってみたい。そしてこの島の一番北の端まで行くのです。

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……と、この北の端の岬にまで、ストリートビューがあるではないですか。Googleマップのスタッフさんたち、ものすごい執念です。

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うわあ、最果て感が半端ありません。もちろん地球は丸いんですから、最果てなんて場所は本当はないんですけど。それにE75号線はここでおしまいですが、車が走ることのできる道路はこの島をやり過ごした先の、もう少し北にあるハムニングベルという廃漁村まで続いているようです。

私は「事前に写真で散々見ていた光景を確認するだけの旅行」というのがあまり好きではないので、こうやってGoogleマップのストリートピューで写真を見てしまうと、やや旅情が失せます。それでも現地に行かないと体感できない気温や風の匂いなどがあるはず。今年の夏は難しくても、いつかぜひ行ってみたいです。

ちなみにE75号線を逆に南下すると、ヘルシンキからフェリーでポーランドグダニスクに渡り、チェコスロバキアハンガリーセルビアマケドニアを経由してギリシャクレタ島に至るそうです。こちらも楽しそうです。