インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

フィンランド語 22 …文型の復習

これまでに出てきた文型を三つ、復習しました。

第一文型

「A olla B」の形で「AはBである」を表すものです。

Tämä on kirja.
これは本です。

第二文型

「〜ssA on 〜」や「〜llA on 〜」のような「〜に〜がある」を表す存在文、「人称代名詞+llA on 〜」のような「だれそれは〜を持っている」を表す所有文がこれにあたります。

Pöydällä on kirja.
机の上に(一冊の)本があります。

このとき「kirja(本)」の諸相によって格が変わります。

①Pöydällä on kirja. →単数主格(ひとつ)
 机の上に一冊の本があります。
②Pöydällä on kaksi kirjaa. →単数分格(ふたつ=ひとつ以外)
 机の上に二冊の本があります。
③Pöydällä on kirjat. →複数主格(ぜんぶ)
 机の上に全ての本があります。
④Pöydällä on kirjoja. →複数分格(いくつか=不定量数)
 机の上に何冊かの本があります。

本のように数えられる名詞については、それが「単数(①)」か「複数(②③④)」かによって名詞が変化するということですね。しかも複数には「ひとつ以外の複数(②)」か「全部(③)」か「不定量数(④)」かの三種類がありえると。

数えられない名詞については、単数分格をとります。

Lasissa on vettä.
グラスの中には水があります。

「vettä」は「水(vesi)」の単数分格です。

第三文型

動詞+目的語、つまり「〜を〜する」という文型です。

Minä luen kirjan.
私は(一冊の)本を読みます。

このときも「kirja(本)」の諸相によって格が変わります。

①Minä luen kirjan. →単数対格(ひとつ)※単数属格と同じ形
 私は一冊の本を読みます。
②Minä luen kaksi kirjaa. →単数分格(ふたつ=ひとつ以外)
 私は二冊の本を読みます。
③Minä luen kirjat. →複数対格(ぜんぶ)※複数主格と同じ形
 私は全ての本を読みます。
④Minä luen kirjoja. →複数分格(いくつか=不定量数)
 私は何冊かの本を読みます。

この第一・第二・第三文型で、全体の約六割ほどを占めるそうです。フィンランド語は、目的語の諸相、つまりそれが単数か、複数か、複数なら「いくつ」という定量か、全てか、それとも不定量か……をあらかじめ念頭に置いて話す言語なんですね。

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Hyllyllä on kirjoja.