インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

街から白い紙が消えるかしら

職場で同僚から「中国でゼロコロナ政策に抗議してデモが起きてるけど、あれはどれくらいインパクトがあるの?」と聞かれました。私は中国ウォッチャーでもなんでもないので、その評価や見通しについてはなんとも言えません。専門家の意見を徴したいと思いますが、ただあの白い紙を掲げるというのは上手だなと思いました。

白い紙は言論統制への抗議という意味が込められているそうです。すでにゼロコロナ政策批判から体制批判へと拡大しているわけですが、単に白い紙を持っているだけですから当局も取り締まりにくいですよね。準備も簡単で安上がりですし、しかも白紙が、何も書けない・何も言えないということを表しているわけで、これを考えた中国の人々の絶妙さにうなります。


https://www.irasutoya.com/2021/01/blog-post_315.html

ネットでの検閲回避のための工夫のあれこれにも感じることですが、中国の人々のこうした抗議のやり方、とくに(こんな言い方が適切かどうかはわかりませんが)ある種のユーモアとペーソス、あるいは諧謔を内包したやり方に、したたかさと年季を感じます。だてに一党独裁のもとで長く暮らしていないぞと。

今後「白紙」もネットでの検閲対象になるのかしら。あるいは街から白いコピー用紙が一時的に消えるとか、販売禁止とか、そんな冗談みたいなことが起こるかしら。不謹慎のそしりは免れないかもしれませんが、かの国なら絶対にないとは言えない……と思いました。引き続き動向を注視したいと思っています。