インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

人混みが苦手です

自宅近くの豪徳寺へ初詣に行ったら、山門から本堂まで行列ができていました。人混みが苦手な私はそれだけで帰りたくなるのですが、そこはそれ「他の人だって多分同じ気持ちだろう」と思い直して列に並び、参拝を済ませて、毎年「破魔矢」がわりに買っている豪徳寺名物の招き猫を新調して(去年一年間福を招いてくれた猫さんは奉納して)帰ってきました。

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人の多いところが苦手です。特に中年以降、その傾向が強くなりました。毎日、満員電車を避けてかなり早朝から都心に出ています。そのためにジムの早朝会員になっています。ただ帰宅時はそうも行きません。満員電車はなんとかがまんして、乗り換え駅などの階段やエスカレーターでは、そこへ殺到する人をやり過ごすために数分間ホームの端で佇んでいることが多いので、そのぶん時間がかかります。

できるだけ人と接触したくないので、電車ではまず座りませんし、空いているときに座っていて隣に座られたら逆に立ったりしています。きわめて感じが悪いかもしれません。劇場などでもできるだけ端の方か、一番うしろに席を取ることが多いです。通路や壁が隣にあれば、少なくとも片方には人がいないわけですから。

旅行に行くときだって、観光地や大都市にはあまり食指が動きません。だからできるだけ人のいない田舎とか離島みたいなところばかり選んで訪れています。とはいえ荒野を冒険するとか極地に赴くみたいなのとは全然違って、あくまで普段の格好で行ける、人がほとんどいないところ(だから他人から言わせると「それの何が楽しいの」ということになります)が好きなのです。

誰だって混雑や行列は好きではないと思いますが、それでも人混みに行くとウキウキするという人はいらっしゃいます。お祭りとかイベントとか、テーマパークなどが大好きな方は多いですよね。だからあれだけの人混みにもなるわけです。私も若い頃は大好きでした。それに学生時代はいまで言うシェアハウスみたいなところに住んでいましたし、その後も共同生活みたいなことを楽しんでやっていましたし、人と接するのは特に苦手ではなかったはずなのです。なのにどうして。

ネットで検索すると「広場恐怖症」という言葉がありました。「強い不安が生じた場合に容易に逃げる方法がなく,助けも得られない可能性がある状況または場所にいることに対して恐怖や不安を抱く状態」だそうです。たとえば満員電車に閉じ込められて自分の意志で動けないとか、飛行機など限定された空間に強制的に閉じ込められるなどの状況でパニックをきたしてしまうと。私はそこまでの状況ではありません。狭いところも嫌いではありますが。

接触恐怖症」という言葉もありました。コロナ禍で他人と触れ合うことを極度に恐れるという人もいるそうですが、私はどちらかというと「ずぼら」な人間で、潔癖なほうでもありません。「対人恐怖症」という言葉もありますが、これともちょっと違うようです。人見知りではありますが、それでも人前に出て話すような仕事をずっと続けてこられていますし。

結局、どうして人混みが苦手なのかについて、確たる原因はなさそうです。単に年をとって偏屈になっただけなのかもしれません。私自身は、定年を間近に控えてセカンドキャリアを模索するためにも、積極的にいろいろなところに赴いて、新しい人間関係を作っていかなければいけないと思っているのですが、人が大勢集まるところで、それも初対面の方々ばかりを相手に話をするというだけで、腰が引けてしまうのです。