インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

風景よりもスマホ

先週の日曜日、三軒茶屋の東急ストアで夕飯の買い物をして、東急世田谷線に乗ったら、連結部に立っていた私の前に、外国の観光客とおぼしき男性二人組が座っていました。まだそれほどインバウンドは復活していないと思うので、ひょっとすると日本在住の方かもしれません。

そのうちのお一人が日本語で「セタガヤセン?」と聞いてきたので「そうです」と答えました。私がさらに日本語で「どちらまで行かれるんですか?」と聞いたら、日本語が聞き取れなかったようなので、失礼ながら英語で同じことを言ったら、「ネコの……」。はい、そこまで聞けば沿線住民はわかります。招き猫で有名な豪徳寺に行かれるんですね。

それで「じゃあ宮の阪駅で降りてね」などと言って、それ以上は話しかけないようにしました。だって、せっかく日本での旅行を楽しんでいるのに、英語で(そもそも、お二人の母語が英語かどうかもわかりませんし)あれこれ話しかけられたら旅情が「だいなし」ですもんね。私も旅先で日本語で話しかけられるとうんざりするので、よくわかります。

……で、お二人には、ひなびた風情の世田谷線車内と沿線のなんの変哲もない風景を楽しんでいただこうと、その後は距離を置いていたのですが、なんとお二人はその後、ずっとスマートフォンに眼を落としてゲームをされてました。あ、そういうものですか。

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私など、外国に行ったらとにかくフツーの街並みやフツーの風景にいちばん萌えるタイプなので(逆に観光地にはぜんぜん萌えません)、もし自分がお二人の立場だったら周りの景色に釘付けになるところなんですけど、そうですか、目的地の豪徳寺に着くまでの風景には興味ないですか。

いやまあ、旅の楽しみ方は人それぞれですから大きなお世話なんですけど、海外を旅行していても片時も手放せないほどスマホゲームというのは魅力があるものなんですね。