私は視力が両目とも1.5で、遠くのものもよく見えます。これでも加齢によって少し視力が落ちており、10年くらい前までは両目とも2.0でした。なのに老眼鏡は手放せません。遠くの風景はくっきりはっきり見えるのに、近くの文字はてんでダメなのです。目の構造はどういうことになっているのか、本当に面白いです。
というわけで、普段かけている眼鏡は、上半分がただ透明なだけ(いわゆる「ダテ眼鏡」)で、下半分に老眼鏡が入った「遠近両用」です。もう五年以上前に作った眼鏡は度数1.0の老眼鏡が入っているのですが、最近これではパソコン作業がつらくなってきました。フレームもくたびれてきたので新しく眼鏡をあつらえることに。フレームは「KRAA KRAA(クラークラー)」というフィンランドの小さな眼鏡メーカーのものです。
このフレームは合板、つまり木でできていて、強度を高めるために「つる」を折り曲げるための「ヒンジ」がありません。つるを耳にかけるというより、眼鏡全体で側頭部を挟むようにして固定する作りになっています。とてもシンプルな作りで、しかも、いかにも木で作りました! 個性的なデザインです! といった「クラフト感」が少なく、抑制の効いているところがいいなと思ったのです。
このメーカーの本社はフィンランドのタンペレという都市にあって、先回渡芬(という日本語はあるかしら)した際に行ってみようと思っていたのですが、あいにくタンペレに行ったその日は休業日で諦めました。その後、日本でも扱っているお店があることを知って、作ってもらったのです。注文から2ヶ月かかってようやく届くという「ゆったり」ぶり。注文が殺到しているからというわけではなさそうで、単に少人数で手作りしているからみたいです。
フレームをあつらえるのを機に改めて検眼してもらったら、老眼がずいぶん進んで度数は2.25になっていました。遠近両用の眼鏡をかけてしばらくは、視線の向きによって解像度が違うために少々戸惑います。例えば階段を降りるときなど、足元がぼやけて不安になるのです。今回も急に度数が上がったのでちょっと慣れない感じですが、使っているうちになじんでくると思います。