インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

老眼ジイさんになった

視力だけは昔からいいのです。若い頃は両眼ともずっと2.0でしたし、歳をとったいまでも毎年の健康診断では1.5のまま推移しています。でもご多分に漏れず、老眼は進行する一方です。視力はいいのに老眼、つまり遠くにある文字はとてもクリアに見えるのに、手元は腕を目一杯伸ばしても文字がぼやけてしまうというの、そのメカニズムはよくわからないのですが、とにかくここ10年くらいはそんな状態になっています。

老眼になって難儀しているのが、学校で授業を行うときです。私はたいがいノートパソコンを持ち込んで授業をしていますが、手元のパソコン画面と、それをプロジェクターで投影したスクリーンと、学生さんたちの顔と、それぞれ距離が違うのですぐに焦点が合わなくて困るのです。それでレンズの上半分は普通のガラス、下半分が老眼鏡という眼鏡も作ってみたのですが、やっぱり老眼鏡の視界が狭いためか、存外不便でした。

それで、老眼鏡を常にかけた状態で、かつ少し下にずらしてかけるようになりました。「ごはんですよ」のCMに出てくる三木のり平氏のアニメキャラとか、「オロナミンC」のレトロな看板に登場する大村崑氏みたいな感じ。若い頃「ちょっとやだなあ、おじさんくさいなあ」と思っていた親父の風情そのものです。


ヒストリー|オロナミンC|大塚製薬

学生さんを指名するときも、老眼鏡を少し下げた状態のまま上目遣いで「じゃあ◯◯さん」などとやってます。なんだか感じ悪いでしょうし、若いときの私だったら「なんだ、このジイさん」と思っただろうなあ。

こないだなんか、いちいち掛け替えるのがめんどくさいので通常のメガネを頭の上に乗せたうえで老眼鏡をかけていて、授業が終わったあと老眼鏡を外して、さてメガネはどこへやったかな……と探し回っちゃいました。「センセ、頭の上に乗ってます」と言われて笑われました。まごうかたなき「ジイさん」ですよ、もはや。