高雄に「帰って」きたら、何をさておき、まずは港園の牛肉麺を食べに行かなければなりません。地元で人気の牛肉麺屋さんで、日本で学んでいる高雄出身の台湾留学生も「あそこが一番!」と太鼓判を押すお店です。何度となく食べに行き、そのあっさりした味わいから、日本からの出張者を連れて行ってもとても喜ばれました。
スープありの「湯麵」と、混ぜそば風の「乾麵」があるのですが、今回は湯麵で。
う〜ん、この「碗面(という言葉があるのかどうか分かりませんが)」の美しさ。しかし……あれ、心なしか味が変わったような気がしました。何だかあっさりし過ぎているというか。とはいえ凡百の牛肉麺よりはるかに美味しいんですけど。いやいや、これは、こちらが歳を取って味覚が変わったのでしょうね。最初に食べたのはもう十五年ほど前ですから。
もう一軒、甘いものを食べたくなって、十全國小(小学校)そばの「爵士冰城」に行きました。「爵士(ジャズ)」というカッコいい屋号ですが、創業何十年にもなるという老舗です。ごくごく庶民的なアイスクリーム屋さんという感じで、目の前にある小学校の児童が放課後に立ち寄るんだろうな、といった雰囲気です。
もう閉店間際だったのですが「食べていっていいよ」と言って下さったので「紅豆牛奶冰」を。ミルク味のアイスクリーム(というか台湾でポピュラーな雪花冰ふう)に小豆と花豆の餡がかかったものです。花豆が入っているので、けっこう「食べで」があり、複雑な味わいで美味しいです。
私の写真ではその魅力や味わいが全然伝わらないので、高雄のB級グルメをあますところなく取材してまとめてある『雄好呷』の頁をご覧ください。
雄好呷: 高雄111家小吃慢食、至情至性的尋味記錄 (附手繪地圖) - 旅行 | 誠品網路書店
この頁に載っているおかみさんが「あんた、日本人?」というので「そうです」と答えると、「そうだと思った。うちの娘婿も日本人なのよ。娘夫婦はいま日本に行っていて、娘婿は中国語がうまくてね……」と、色々話してくれました。そばでおやじさんが夕飯を食べていて、このなんともゆるい雰囲気がたまりません。
こちらのお店は数年前に「啵! 爵士冰城 Bonne Jazz Ice Town」という名前で別の場所に新しいおしゃれなお店を展開したのですが、この旧店舗も変わらずに残っていってほしいなと思います。