私は長年ソフトバンクの携帯電話を使っているのですが、先日ふとMy SoftBankの支払明細を確認したら、私と細君の基本料や通話料・通信量、機種代金(分割支払金)の他に、見覚えのない電話番号で機種代金がスマホ月々1500円程度引き落とされているのに気づきました。
なんともうかつなことではありますが、銀行口座から自動で引き落とされ続けているのを今になって見つけたわけです。よく見てみればこれはかつて細君がソフトバンクのお店で「実質0円ですから~」とか何とか言われて契約してしまったiPadの分割支払金でした。
いえ、営業トークに乗せられて必要でもないiPadをもらっちゃった細君が悪いのです。それで後日iPadの本体を返し、契約を解約し、違約金まで支払ったのですが、本体のお金はきっちり完済しなければいけないような規約になっていたのでしょうね。いえ、これもきちんと契約書の隅々までチェックしていなかった我々が悪いのです。
……しかし、なんだかもう一挙にソフトバンクという会社そのものへの嫌悪感がわいてきてしまいました。白戸家の「お父さん犬」がどんなにかわいくてもダメです。というわけで、ソフトバンクと交わしている一切の契約を解除することにしました。
違約金がかかったり購入機種の残債を一括精算したり、ハッキリ言って馬鹿みたいに損ですが、何というのかな、長年付き合ってきたけどもう「顔を見るのもイヤ!」、あるいは「生理的にムリ!」という感じ(ひでえ)。これはお金じゃなくて、気持ちの問題です。
同時に、今持っているiPhone Xも「ダウンサイジング」することにしました。中古で下取りに出しちゃって、そのかわり型落ちの古くて安いiPhoneに乗り換えるのです。iPhone Xを購入して半年あまり。確かに顔認証やらApple Payやら便利な機能が満載ですが、自分の身の丈をよくよく考えればかなりオーバースペックです。
そもそも私、音声通話はほぼゼロですし(電話がかかってきても家族以外は絶対に出ません)、メールやLINEが確認できて、Google Mapが使えればいいだけです。写真もあまり撮らないし、高品質な音声もいりません。ゲームもしないし動画もあまり見ない。よく考えたらそこまで高級なスマホを使う理由などほとんどなかったわけです。
最近読んだ『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』には、iPhoneを世に送り出しているアップルの高級路線についてこんな記述がありました。
アップルの顧客の中には、自分たちが不合理な決定に基づいて買い物をしていると指摘されたら、不愉快に感じる人がいるかもしれない。
彼らは自分たちがスマートでセンスがいいと信じている。だからどんな決定も頭脳が決めていると考えている。モノがいいからだよ、と彼らは言う。直感的に操作できるユーザー・インターフェース。それに効率アップのためのクールなアプリケーションを見てくれ。
(中略)
たしかにそうかもしれない。そして人はメルセデス・ベンツに大金を払うときも同じことを言う。高級品はすばらしい。しかしそれは社会的地位を伝えるものでもある。それはあなたの生殖能力のブランド価値をも向上させる。
(中略)
ところで私は、高級品を買えば実際にモテるようになると言っているわけではない。何百万人ものiPhoneユーザーが、1人で寝ているに違いない。
しかし高級品を買うと感情のスイッチが入り、幸福や成功を感じさせるセロトニン量が急上昇する。おそらくそれで他人から見て魅力的に見えるのだろう。何度も引き合いに出して恐縮だが、格安のデルではこうはいかない。
そうなんですよね。私は昔々のCentrisやQuadraから現在のMacBook Airに至るまで、Apple製品の忠実な愛用者ですが、この本を読んでいくぶんかは我に返りました。Appleの諸製品は、その日常とのあまりの関わりの深さについ見失いがちですが、普段私が全く興味を持たない贅沢な高級ブランド(服やら車やら宝飾品やら)とそれほど選ぶ所がなかったのです。
というわけで、以前使っていた懐かしい(と言ったって数年前の機種ですが)iPhone SEに戻ることにしました。歴代iPhoneの中ではいちばん好きなデザインですが、すでに製造停止となっているらしく、現在は数万円で手に入ります。ソフトバンクにナンバーポータビリティを申請して、携帯電話会社もLINEモバイルに乗り換れば、諸々の料金は2/5ほどに下がると思います。
ついでに、ソフトバンクと契約している光インターネットも解約するつもりでいます。とにかくあの会社とはもう二度と関わりたくないのです。私の中ではソフトバンクは完全にブランド価値を失いました。
……と、ここまで書いて、実際にLINEモバイルのオフィシャルサイトに行き、申し込みを開始して気づきました。LINEモバイルはいまや、ソフトバンクと資本・業務提携を結んでいたのでした……。