かねてよりコンビニやアパレルショップなどの男性店員が「いらっしゃいませ」を「しゃっせー」などと短く発音する現象に注目してまいりましたが、先日とあるお店でついに「せーっ」と発音する方に遭遇しました。言葉の経済性、ここに極まれりです。このお店で「ありがとうございました」が「たーっ」かどうかは未確認です。ただTwitterでは、鍼灸院で「お大事に」を「にーっ」と発していたというサンプルが寄せられたことがありました。
コンビニでも「いらっしゃいませ」の「しゃっせー」に始まり、「ありがとうございました」が「ありあたっした」、「お弁当を暖めますか」が「おえんたったえあすか」などになって、その発音に、特に来日間もない留学生などが「初めて聞く日本語だ」と混乱する、というのは我々の業界でよく聞く話です。
コンビニ店員といえば、ちょっと脱線しますけど、こちらのネタ、大好き。
とんねるず 博士と助手 「○○」が「××」に聞こえる △△の店員
でも「したー(ありがとうございました)」や「ちーす(こんにちは)」や「れっす(おつかれさまです)」などは私が通っているジムで出会うアスリートのみなさんにおいては定番の挨拶ですし、現代を生きる日本人の多くにとって、さしたる違和感はないのかもしれません。
逆に、キチンと発音することが、堅さや馴れ馴れしさや押しつけがましさに繫がると思われているフシもありますね。コールセンターなどの丁寧すぎてもはや慇懃無礼に近くなっているマニュアル的な言葉遣いなどは、私でも「もう少しフレンドリーに話してくれないかな」と思うことはありますから。
ちなみにこのコールセンター的言葉遣いも、留学生にとっては「鬼門」なんだそうです。聴き取れなくて「もう一度言ってください」と頼むと、本当に同じマニュアル的台詞を「もう一度」きちんと繰り返すからだとか。ふつうの会話で「もう一度言ってください」と言われれば、ゆっくりかみ砕いて話したり、易しい言葉に言い換えたりするのがコミュニケーションの基本だと思いますが、コールセンターのマニュアルは違った言い回しを許容しない性格のものですからね。
これについても留学生のみなさんは「コールセンターの電話は録音されてるから、スタッフもマニュアル以外の言い方ができないんじゃないかな」と言っていました。おお、なんと大人の対応でしょうか。