きのうから北九州は小倉の実家に来ている。引っ越し先が決まったので、実家に預けてある荷物を発送するためだが、ここ数年顔を見せていなかったことでもあるし、二泊三日でゆったり予定を組んだ。
国道三号線沿いにあるこの家は、戦前から建っている古い建物だ。現在はかなり改修して取り壊してしまった部分が多いが、その昔はとても大きな建物で、近くにある医科大学の学生さんが下宿したり、若い夫婦が間借りしたりとかなりにぎやかな時代もあったという。昔は夫婦に子供ひとりでも四畳半一間に間借りなどということは珍しくなかったそうだ。いまでは考えられないような話だ。
父親が転勤族だったこともあって、私自身はこの家に住んだことがほとんどない。小さい頃から法事など冠婚葬祭の行事があるときだけ行く場所、といった認識だった。だから実家とはいえ故郷ではない。周辺の地理にはまったく詳しくないし、幼なじみや友人なども当然いない。
かてて加えて、大学に通っていた頃からかなりな親不孝を繰り返してきたので、実家は私にとってはかなり敷居の高い場所だ。それでも何かあればこうして荷物を預かってもらったりして、かなり身勝手な利用のしかたをさせてもらっているが。
両親はすでに悠々自適の生活を送っている。二人とも趣味やちょっとした仕事は続けているので、いまでもとても元気なのが救いだ。それに近くに妹夫婦が住んでいて、孫も三人もいるので何かとにぎやかだし、心細く思うこともないだろう。だからこそ私もこうして東京で好き勝手に不安定な仕事をすることができるわけだ。ありがたいことではある。
何年かぶりで小倉の街を歩く。駅前や駅周辺の変化が大きくておどろくが、昔からの商店街など、心なしか以前よりさびれたような気がした。父親によれば、やはり福岡(博多)に一極集中してしまい、北九州は斜陽なんだそうだ。かつては古い住宅街だった実家周辺にも高層マンションがいくつも建ち、国道沿いということもあって巨大なパチンコやがいくつかできていたりして、なんというのかなあ、ちょっと殺風景な街並みになってしまったかもしれない。
きのうは両親と魚町(うおまち)界隈の居酒屋へ飲みに行った。やはり九州の魚はおいしいなあ。
しかし、酔いが吹っ飛ぶほど驚いたのは、両親がこのブログを知っていたことだ。
「いつも読んどるわ」。��( ̄□ ̄;)!!*1
ペンネームなのになぜ? 父親はコンピュータに強く、パソコンを自作してしまうような人である。ううむ、元エンジニアはあなどれない……。