インタプリタかなくぎ流

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いつの間に普及していたの?

昨日の日曜日、自宅近くの商店街にあるコワーキングスペースに行きました。ここは本棚の一区画を借りて自分の好きな古本を売ることができるマイクロ本屋さんが併設されていて、私もそこの「棚主(たなぬし)」の一人なので、古本の補充に行ったのです。

商店街を歩いているときから、そのどこか非日常な雰囲気に気づいてはいましたが、コワーキングスペースに入ると果たして、店番をされている方々がみなさん仮装をしていました。そう、昨日はハロウィンとかいうものが全国的に行われていたのでありました(「本番」は今日らしいですが)。私はいまだによく分かっていないのですが、ハロウィンっていったい何? 「泣く子はいねが〜」みたいなもの?

それはさておき、店番の方々から「あら、普通の格好ね」と言われて、じゃあせめてこれをとくまのプーさんみたいな帽子(のハロウィン版みたいなの)を手渡されました。というわけで、私はそれをかぶって古本の補充作業を行いました。

補充作業を行っているほんの短い時間のうちにも、連れ立って仮装した子どもたちのグループ(とその親御さんと思しき方々)が次々にやってきて「トリック・オア・トリート!」などと叫んでいます。店番の方々は手慣れた様子でお菓子など配って、親御さんたちはその様子をスマホで撮影してひとしきり座が盛り上がって……を繰り返していました。

そのあと商店街を歩いて自宅まで戻りましたが、商店街の他のお店の店頭でも同じような仮装の子どもたちがたくさんいて、これまた仮装した店員さんたちが対応していました。渋谷のハロウィンの盛り上がりは知っていましたが、こんな小さな商店街でもここまでハロウィンが普及していただなんて知りませんでした。ここ数年、コロナ禍で自粛していたということもあるのでしょうけど、なんだか一気に浸透した感じ。いつの間にここまで普及していたの?

私個人はといえば、ハロウィンはおろか、クリスマスにもまったく食指が動かず、蓮實重彥氏の『見るレッスン~映画史特別講義~』にあった「ディズニーなどなくなったほうが、世の中にとっては健全だと本当に思います」に少なからず共感するような人間です。

韓国であんな事故があったというのに、あえて渋谷の雑踏に繰り出す方の気持ちはよく分かりませんが、近所の商店街で仮装して目を輝かせた子どもたちが走り回っているのを見ると、なんだかほのぼのとして「これはこれでいいか〜」などと感じてしまうのでした。しかし、子どもたちの仮装はよく見るとけっこう凝っていますし、中には入念にメイクをしているお子さんもいます。親御さんたちの負担も大変だろうなあと思いました。