フィンランド語のニュースサイトをのぞいていたら、橋本聖子五輪担当大臣が東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の会長就任要請をうけたという話題が載っていました。見出しには“joutui vielä selittelemään omaa ahdisteluskandaaliaan(自らのセクハラスキャンダルについて、なおも説明する羽目に陥った)”と大書されています。
MYÖSKÄÄN Hashimoto ei ole säästynyt kuprulta. Hän oli keskellä seksuaalisen häirinnän skandaalia vuonna 2014, kun hänestä ja häntä yli 20 vuotta nuoremmasta miestaitoluistelijasta levisi valokuvia, joissa kaksikko halasi ja suuteli.
橋本氏も過ちと無縁ではありません。2014年には、20歳以上も若い男子フィギュアスケート選手に抱きついてキスをしたというセクハラスキャンダルのまっただ中にありました。
日本から遠く離れた北欧フィンランドのニュースでさえ「ハラスメント」が見出しに。諸外国ではこうしたセクハラがどれだけ重みを持って受け止められるかがよくわかります。日本のメディアはこの点にやや及び腰ですが、この件に関する視点があまりアップデートされていないように思えます。本当に恥ずかしい。
▲今日の東京新聞朝刊より。
「男みたいな」を批判されそうなので「男勝り」にしたと。これでニュートラルな表現に戻したと思っているとしたら、何が問題なのかをいまだにまったく分かっていないですよね。というか、日本語の感覚自体がもう何十年もアップデートされていないようです。言葉の吟味が粗雑すぎます。言論の府たる国会に仕える議員としても失格ではありませんか。
今年の箱根駅伝でも「男だろ」と選手を鼓舞した監督がいましたが、こうした主に中高年のオジサン・ジイサンたちの周回遅れっぷりは本当に腹立たしい。言葉狩りじゃないかって? いいえ、日本語には他にも、人を評価し、鼓舞する言葉があまたあります。自分の言語感覚をアップデートさせ、現代に即した価値観を身につけましょうよ。