インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

歌って楽しむ外国語

図書館で借りた黒田龍之助氏の『外国語の水曜日―学習法としての言語学入門』という本を読んでいたら、「歌は外国語の学習に多大な効果をもたらす。発音練習にもいいし、文化に触れることにもなる」と書かれていました。たしかにそうかもしれません。私もかつて中国や台湾のポップスはもちろん、懐メロから革命歌曲までどっぷりハマって歌い、中国語カラオケにもよく行きました。某中国語学校で「歌って楽しむ中国語」みたいな講座も担当していたこともあるくらいです。

もっとも中国語の場合は「声調」という一種のメロディがあり、なおかつ歌のメロディの上がり下がりと歌詞の中国語の声調が一致しているとは限らないため、特に中国語の初学者にとっては「発音練習にもいい」とは言えないかもしれません。それでも語学の一環として歌うのは楽しいですよね。

いま学んでいるフィンランド語は……う〜ん、フィンランド語の歌で有名どころというのはあまり思いつきませんが、シベリウス交響詩フィンランディア』に出てくる『Finlandia-hymni(フィンランディア讃歌)』など、きれいだなあと思います。『フィンランディア』はあの勇ましいファンファーレ的な主題の部分が人気ですが、賛美歌みたいな雰囲気をたたえたこのコーラスの部分(演奏によっては交響詩にコーラスが入ります)も美しい。……というわけで、いま練習しています。

こちらにフィンランド語の歌詞と日本語訳が紹介されています。


【和訳付き】フィンランディア賛歌(フィンランド歌謡) - "Finlandia hymni" - カタカナ付き

こちらはヘルシンキ駅の構内で行われたフラッシュモブの映像。なかなかすてきです。


Flashmob Finlandia

歌詞はこちら。

1.
Oi Suomi, katso, Sinun päiväs koittaa
Yön uhka karkoitettu on jo pois
Ja aamun kiuru kirkkaudessa soittaa
Kuin itse taivahan kansi sois
Yön vallat aamun valkeus jo voittaa
Sun päiväs koittaa, oi synnyinmaa

2.
Oi nouse, Suomi, nosta korkealle
Pääs seppälöimä suurten muistojen
Oi nouse, Suomi, näytit maailmalle
Sä että karkoitit orjuuden
Ja ettet taipunut sä sorron alle
On aamus alkanut, synnyinmaa

Finlandia (sävelruno) – Wikipedia

1番の歌詞では“koittaa”、“soittaa”、“voittaa”という“ittaa”の部分が、2番では“korkealle”、“maalimalle”、“alle”という“alle”の部分が韻を踏んでいますが、これらはいずれもフィンランド語に多い子音の重なりで、発音する時にはいわゆる「促音」になります。歌ってみると、このいったん詰まって伸びる感じが、4分音符(1拍)のあとに符点2分音符+4分音符(つまり4拍)のメロディによく合っているなあと思いました。
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qianchong.hatenablog.com

で、『Finlandia-hymni』を覚えたら、お次はこちら、Kari Tapio(カリ・タピオ)氏の『Olen suomalainen(俺はフィンランド人)』にしようかなと思っています。「ここでの暮らしは大変で、運など巡ってきやしない。それを知ってるのは俺らだけ」……こういう哀愁漂うオジサン受けしそうな歌謡曲、大好きです。


Kari, Jorma ja Paula - Olen suomalainen