ネットで検索していて「プラスチックマトリョーシカ」という言葉を見つけました。日本におけるプラスチックやビニールなどによる過剰包装を形容した言葉です。うまいことおっしゃるなあ。記事を書かれているのは、現在フィンランドに留学されている日本の大学生さんだそうです。
【フィンランドに留学して感じる日本への違和感】
— 生幸 Takayuki (@b_taka_d) December 16, 2019
3ヶ月フィンランドで過ごして、感じた日本に対しての諸々の違和感12個メモとして書きました。
日本にいたら気づけなかった部分もあったので、多くの人に知って考えていただけると嬉しいです。 pic.twitter.com/NhtUQulFu5
たしかに、日本では包装に何重ものプラスチックやビニールなどが使われていますよね。現代では日本に限らず、いえ、フィンランドだってスーパーに行けばプラスチック包装があふれていますけど、日本のそれはちょっと異様なほどだと思います。
このブログでも何度か書いてきた、あの「薄いビニール袋」との戦い(その①・その②・その③・その④)などまだマシなほうで、スーパーによっては(特にデパ地下のそれなど)もともと発泡スチロールとプラスチックフィルムに包まれているパックを「薄いビニール袋」に入れ、さらに保冷剤を入れるためのビニールをくれ、レジ袋を避けようと思って紙袋を所望したらたまたま雨天だったので「雨除け用のビニール袋」まで付けてくれようとしたり……まさにマトリョーシカ状態。で、それらを全部断ると怪訝な視線を返されたり……異様です。
私は夕飯の支度が面倒なときは、たいてい鍋か手巻き寿司にしちゃいます。作りながら食べるぶん支度が楽になるからですけど、安い切り落としの刺身でさえ立派なプラスチックのパックに入っていて、毎回それがゴミとなってしまうのに心が痛みます。こういうのを「使い回し」して、例えばパックを持参してそこに詰めてもらうみたいなことができればいいんですけど、魚屋さんならともかくスーパーでは現実的ではないですよね。昔は鍋を持って豆腐屋さんへ出かけたなんての、私くらいの年代でも経験がある方はいると思いますけど、ああいう買い方はもうほとんど姿を消してしまいました。
昨日ご紹介した劉永龍氏の講演でも、私たちができることのひとつとして「Refill(詰め替え)」を提唱していて、「私たちが子供の頃は“打醬油”してましたよね」とおっしゃっています。“打醬油”というのは、瓶を持ってお店に行き、醤油を詰めてもらう買い方です。NHKの『世界ふれあい街歩き』で、たしかイタリアの街角だったか、大きなボトル(これはプラスチックでしたけど)を持ってワインを買いに行くシーンがありました。日本にも上陸したフランスのオーガニックスーパー「ビオセボン」などでは量り売りをやっていますし、他にも東京ではいろいろな量り売り店が登場しつつありますけど、まだまだほんの一部の動きです。それに、少々お高い、お高すぎる……。
結局、大量のプラスチックやビニールを使うほうがコスト面からは合理的ということになっちゃうんですね。でもそれも遠い将来までを見据えたスパンで考えてみれば、環境破壊のツケは膨大なコストとなって私たちに跳ね返ってくるはずです。ともあれ、マイバッグや「お出かけセット」を持参するとか、ペットボトルを買わないなどの行動からひとつひとつ始めて行くしかありません。そして日本のこの「プラスチックマトリョーシカ」については、これはいますぐにでもまずレジ袋の有料化(それもけっこう高額に)から改善を始めるべきだと思います。もう随分前から言われていることですけど。
あと、上掲の記事にも書かれていた、フィンランドにおける缶や瓶のデポジット。これもとりあえずすぐに取り組める方策ではないかと。……とはいえ、これも私が学生だった大昔からずっと提唱されていながら、なかなか大規模な形で普及・実現しないんですよね。下の写真は、フィンランドの地方都市・クオピオのスーパーで撮影したリサイクルコーナーです。この機械に瓶や缶やペットボトルを入れると、自動で計算されてレシートが出てきて、それはスーパーの金券として使えるのです。