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いつか役に立つことがあるかもしれません。

さらにあの「薄いビニール袋」との果てしなき戦い

いいかげんしつこいと思われるかもしれませんが、あの「薄いビニール袋」との戦い、第四弾です。これまでの「戦い」はこちら。

あの「薄いビニール袋」との果てしなき戦い - インタプリタかなくぎ流
ふたたびあの「薄いビニール袋」について - インタプリタかなくぎ流
あの「薄いビニール袋」を何とか避けたい - インタプリタかなくぎ流

先日ジム帰りに、表参道のおしゃれなスーパーマーケット「紀ノ国屋インターナショナル」に立ち寄りました。ここは何でもお高いんですが、野菜の品揃えが充実していて、このときはローストチキンに添える小粒じゃがいもを買おうと思ったのです。あと、珍しいフィンランドのパン、hapan korppu(ハパンコルップ)とか hapan ruisvuoka(ハパンルイスヴオカ)なんかが売られているのもポイント高し(しかも、けっこうお安いです)。

レジではマイバッグを渡しながら(店員さんが詰めてくれるのです。さすが高級スーパー)「袋はいりません」と伝えたんですが、レジ係の方はじゃがいもを「薄いビニール袋」に入れてくれようとします。それで「あ、それも結構です」と言ったら「じゃがいもの土が他のものにつきますが……」と困惑顔のレジ係さん。「いえいえ、本当に結構です」とお断りしましたが、すごく不思議そうな顔をされました。

じゃがいもはもともとビニール袋に入っています。パンチで開けた空気穴みたいなのが開いている袋でしたから、レジ係さんは、そこからじゃがいもの土が一緒に買ったパンなどについちゃ大変と思って「薄いビニール袋」に入れてくれようとしたわけです。まあパンもじゃがいももみんな既にビニール袋入りですから、いまさら「薄いビニール袋」の一枚や二枚こだわっても仕方がないのかもしれませんが、明らかに過剰な対応だと思いません?

いやいや、この場面でじゃがいもの袋をさらに「薄いビニール袋」に入れなかったら、客が怒るのかもしれません。だからレジ係の方もそういう対応になっているんでしょうね。そう、日本の私たち全体が、こういう過剰な包装に慣れっこになっていて、もはや疑問すら感じないレベルに達しているのです。

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https://www.irasutoya.com/2014/05/blog-post_394.html

外国人観光客向けの情報発信を行っている「LIVE JAPAN」というウェブサイトがあるのですが、そこにこんな記事がありました。

多くのスーパーマーケットではレジで清算をする際に、スタッフの人がささっと薄いビニール袋に生鮮食品を入れてくれますよね。普通のことかと思いきや、海外では自分で入れたり、もしくはビニール袋さえ用意がないところも。日本人にとっては、当たり前すぎて、意識することはあまりないですが、考えてみればとても助かるサービスですよね。

livejapan.com

う〜ん、こういうところを「日本すごい」と誇れないんじゃないかと私は思います。先般のCOP25では日本が「化石賞」を連続受賞してますけど、環境問題ではこの国はもはや諸外国の後塵を拝しています。そして、こうしたプラスチックごみの問題についても、私たちの国と国民の意識は、かなり遅れていると感じるのです。たかが「薄いビニール袋」一枚のことですけどね。「LIVE JAPAN」の記事はこう締めくくられています。

また、ビニール袋が無料でもらえるところがまだあることが嬉しいとの声も。自国では有料化が進んでしまったので、消費者としてはやはり無料だとうれしいとの意見がありました。しかし日本も、環境を配慮し、レジ袋の有料化が徐々に広がってきているので、他の国同様、いつかなくなっていくサービスになるかもしれません。

この記事、諸外語に訳されて世界に発信されているんですけど(機械翻訳サービスに頼ったものではなく、ちゃんとした翻訳です)、こうやって能天気に発信していることそのものが少々恥ずかしいことだと思わなきゃいけないですよ。