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しまじまの旅 たびたびの旅 36 ……鼎邊糊と蠣餅

馬祖列島の南竿は小さな島ですが、それでも列島の中ではいちばん「栄えて」います。政府機関や公共施設や商店などが集中しているエリアは空港にもほど近い介壽路のあたり。地図だと平坦な感じがしますが、実はかなりの急坂を上り下りした先にあって、非力な電動バイクはかなり悲鳴を上げていました。

ここで食べてみたかったのが、ネットの口コミで多くの華人が推奨していた「鼎邊糊」と「蠣餅」です。

鼎邊糊

聞き慣れない名前ですが、基隆に「鼎邊銼」という食べ物がありますね。あれに似ているけど、もっと素朴で、魚介系が強くて、スープに少しとろみがあります。すごく味わい深い一品です。

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お店は地元の人にも観光客にも人気らしい「阿妹的店」。ネットの情報では「介壽獅子市場」の二階ということだったんですけど、行ってみるとその場所は工事中でした。これは残念だな〜と落胆していると、その先、海辺の湾沿いの道路に仮拵えのお店がずらっと並んでいました。こちらで臨時営業中だったんですね。

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市場の建て替えが済んだら、また元の場所に戻るのかもしれません。

蠣餅

「蠣」の字は、実際には「虫偏に弟」という見慣れない文字で書かれていましたが、こちらのページによるとどちらでもいいみたい。元々は福州の食べ物のようです。肉や野菜など豊富な具材を生地でまとめて揚げたもの。「かきあげ」に似ていますが、生地はもっとしっかりしていて揚げた調理パンのような雰囲気です。私が食べたものは肉や野菜の他に春雨が入っていて、生地には落花生が丸ごと練り込んでありました。

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「鼎邊糊」は上記のお店でしか食べられないようですが、「蠣餅」はいくつかの屋台で売られていました。

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それから、これもいくつかのお店で売られていたのが、「繼光餅」。明代の武将・戚繼光が陣中で食べやすいように作ったとかいう伝説からこの名前がついているそうですが、その形から「馬祖貝果(馬祖ベーグル)」とも呼ばれているそう。確かにこれはまんまベーグルですよね。お湯で茹でた雰囲気ではないけれど。

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馬祖ではこのベーグルを使ったハンバーガーなども売られているそうです。今回は食べられなかったんですけど、次に行った時にはぜひ試してみたいと思います。