またまた「ニセ華人」となって、包子を作りました。
肉まんと、エビ+野菜まんの二種類。土曜日は友人宅で、日曜日はなんと包子作りを教える授業で、です。調理師免許など持っていないし、ましてや中国人ですらないのに、「何様?」という感じですね。先週は新しい酵母の働き具合を確かめるために試作をしたので、都合三度も粉まみれになりました。
餃子の皮はいつも目分量でこねていますが、包子の皮は粉も水も酵母もきっちり量って作ります。以前は目分量で適当に作っていたのですが、あるときウー・ウェン氏の『北京小麦粉料理』のレシピ通り作ってみて発酵生地に開眼しました。包子の生地は餃子の皮よりかなり柔らかめだったのです。
また餃子に比べると多めに具を包むため、生地が柔らかく弾力性に富んでいないとうまくひだを寄せて包むことができません。今回使った「白神こだま酵母」は、かなり弾力性がでて包みやすい「おりこうさん」なイースト菌でした。
包子を作ると、かならず「ホンモノ華人」に試食してもらいます。
粉もの文化をその身に体現している彼らからは、かなり厳しい意見がもらえます。そうした意見を参考に、これまでいろいろ改良を重ねてきました。
「イースト香が強すぎる」→いろんな酵母を試しています。
「重曹の味が強すぎる」→発酵を補うために少量足していたのですが、やめました。
「皮が黄色すぎる」→皮に練り込む油をより白いものに換えました。
「上部の皮が厚すぎる」→“擀皮(生地を円形にのばす)”するときの「周囲は薄く、中央は厚く」を徹底しました。
「具が少なすぎる」→ひだを寄せる時、上へ引っぱり気味にします。こうすることでより多くの具を包めるようになりました。
「味が薄い」→基本的に包子は酢や醤油につけて食べないので、気持ち濃いめに味つけします。
酵母は、いつかイースト菌ではなく北京の伝統的なパン種である“老面”を使ってみたいです。
生地があまったので、“花卷”も作りました。油をオリーブ油にして、“茴香(フェンネル)”を散らして巻いたら、何やら西洋風になりました。上等なオリーブ油にひたして食べたい雰囲気です。しかも生徒さんが家からえらく上等なブルゴーニュの赤を持ってきたので、かなり幸せなランチになりました。紙コップで銘醸ワインというのが残念でしたが。
というか、仕事中に飲んでいる場合じゃありませんね。