インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

心と身体に効く筋トレ

昨日「cakes」で読んだこちらの記事。

cakes.mu

移動中の電車の中で、スマホで読んでいたのですが、「同感!」の部分が多すぎて、思わず降りる駅を乗り過ごすほどでした。

ビジネスパーソンが最高のパフォーマンスを実現する」という惹句に、また「意識高い系」の自慢話ですか……と尻込みしそうになりますが、これはまあ筆者であるムーギー・キム氏が読者として想定している方々へ向けたリップサービス。詳しくは記事をお読みいただくとして、大切な点は、対談相手のTestosterone氏が語る以下のことがらです。

1.筋トレは有効なストレス解消法。

趣味でも何でもいいのですが、筋トレは一番手っ取り早くて短時間で行えるストレス解消法だと思います。というか、筋トレをしている時には、雑念が入り込む余裕などありません。ほとんど全神経を荷重に向けているから。

しかも筋トレはあまり長い時間はできません。せいぜい一時間程度。でもその一時間をこれほどまでに無心にさせてくれる「手段」はそうそうないと思います。以前は長時間歩いたり走ったりをしていたのですが、手元にパソコンもスマホもないから雑念が消えるかと思ったら、却ってあれこれ考えちゃって、それを音楽で紛らわしたりしていました。筋トレは音楽を聴く余裕すら吹っ飛びます。

2.筋トレは運動初心者や運動神経の悪い人におすすめ。

これ、まさに私のことです。私、学校の体育の時間が一番嫌いだったのですが、中でも嫌いだったのが球技や体操(器械体操)のたぐい。如実に運動神経というかスキルが問われるからです。

比較的気が楽だったのは長距離走。もちろん長距離走だって相応のスキルが必要ですが、とにかく体育の時間をやり過ごしたいだけの私のような人間には一番楽です。ダラダラ走っているだけでいいんですから。

また体育の時間で「競技」をさせられるのも本当にイヤでした。水泳とか短距離走とかバスケやバレーやサッカーや剣道や……(要するに全部ですけど)。せめて体育から「競う」要素を外してくれれば、まだ救われる生徒はいると思いますけどね。

そこへ行くと筋トレは、特殊なスキルがほとんど必要ありません。競うこともありません(個々人で体格や体調などが違うので競う意味がない)。トレーナーさんの指示に従って、身体を動かすだけです(意識の持って行きようは大切なので、そういうスキルは必要かもしれません)。

qianchong.hatenablog.com

3.筋トレで普段の生活習慣まで意識が変わる。

これは自分でも驚いたのですが、筋トレをしていると暴飲暴食に自らストップをかけられるようになるんですね。「あれだけきつい筋トレをしたのにもったいない」とか「この爽快な状態を維持したい」とか思っちゃうのです。私はこれで、長年辞められなかった毎日の飲酒から抜け出すことができました。記事では「筋トレを中心とした健康的なライフスタイル」と形容されています。

週の初めに私はまず、筋トレに行く時間をスケジュール帳(スマホ)に確保します。それに従って他の仕事や予定を入れるのです。完全に本末転倒な感じですが、こうしないと絶対に怠けちゃう自分の性格を考慮してのことです。私はどちらかというとノープランが好きで、人生全般が「どんぶり勘定」的な人間なんですけど、そんな私でも時間の使い方が自律的になったことにも驚いています。

4.筋トレは必ずトレーナーさんに習う。

これは必須です。以前大手フィットネスクラブの会員になって一年ほど身体を動かしていた時期があったのですが、肩凝りにも腰痛にも健康維持にもストレス解消にも、ほとんど効果がありませんでした。お金をケチってトレーナーさんにつかず、全部自己流で済ませていたからです。

今はトレーナーさんに指導してもらっていますが、その細かい指示に毎回驚きます。ちょっとした手足の向きや位置、視線や姿勢、さらには意識の持ちようまで、ものすごく繊細な調整が必要で、それがトレーニングの結果にも大きく影響してくるのです。

世上よく体育会系の方々を揶揄して「筋肉バカ」などという暴言がなされることがありますが、バカなんてとんでもない(いや、バカも時にはいますが)。正しく筋肉をつけるためにどれだけの工夫をしているのかは、プロのトレーナーさんから「これでもか」というほど教わることになります。

5.食事7割、休息2割、筋トレ1割。

これもプロのトレーナーさんがよく言っていることです。どんなに理想的な筋トレをしても、きちんと休めるかどうかがとても大切。さらにきちんと食べているかどうかはさらに大切だと。生活習慣の意識が変わるというところと同じですが、「あれだけきつい筋トレをしたんだから」と食事により意識を向けるようになるんですね。

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「筋トレ」は、そのイメージを一度リセットされるべきではないかと思います。かつての私を含め多くの方が「筋トレ」に抱くイメージは、ほぼ「ボディビル」に近いものではないでしょうか。筋肉を誇示するかのようなピッチピチで襟ぐりと袖ぐりが極端に深いタンクトップを着て、黒々と日焼けした身体でとんでもない重量を「はぁうっっ!」とか「ふんっっぬぅおぉぉ!」などという奇声を発しつつ上げている……というような。

そうではなく(そういう方もいるけれど)、一人一人の状況にあった、それぞれの「筋トレ」があるのです。筋トレは競うものではなく、自分と向き合うものです。そして身体と心の不調を少しずつほぐしていくものです。本当におすすめです。

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