インタプリタかなくぎ流

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NHKの「五輪推し」にうんざり

連日のパリ五輪関連報道にうんざりしています。私はもうずいぶん前からテレビはほぼ報道系の番組くらいしか見ないようになりましたが、その報道系番組もここのところはオープニングからパリ五輪関連、それも日本勢がメダル獲得!的なものが多くて*1、私はため息をつきながらそっとスイッチを切っています。

それでもまだ民放はしかたがないとあきらめていますけど、私も衛星契約ふくめて受信料をぽかすか振り込んでいるNHKまでが、朝から晩までゴリゴリに五輪推し……というのはちょっと納得がいきません。いや、朝から晩までというのはちょっと誇張しすぎでしたね。でも試みに今朝の日経新聞テレビ版をコピーしてみたのがこちら。水色のところが五輪関連の番組です。

Eテレにはこの他にも五輪関連とおぼしきテニスの国枝慎吾氏を紹介するアーカイブ番組や、ブレイキンを紹介する語学番組がありますが、それらは省いてもこれだけあるのです。私はこの状態、公共放送としてはちょっといびつに過ぎるんじゃないと思います(特に地デジ1ch)。

他の国の公共放送はどうなっているのかしら。例えばBBCの番組スケジュールを見てみたら、BBC1でもけっこうたくさんの五輪関連番組をやっているようでした。いずこも同じようなものなのでしょうか。ただBBCは1以外にも2,3,4などがあって、そちらでは五輪関連とおぼしき番組はごくわずかのようでした。

https://www.bbc.co.uk/iplayer/guide/bbcone/20240729www.bbc.co.uk

このブログでももう何度も書いていますが、私は、近代五輪はすでにその役割をじゅうぶんに果たしてきたので、100周年となったアトランタ大会あたりで「お開き」にすべきだったと思っています。莫大な放送権料などを背景に利権がからみ、誘致のための贈収賄や運営の際の談合などが裁判にもなり、先般の東京五輪はコロナ禍下での開催に多くの疑問の声があったにも関わらず強行され、費用も膨れ上がってこれまた莫大な公費が投入されました。

本来ならそういう五輪のあり方に一石を投じ、批判すべきところは批判するのがNHKをはじめとするジャーナリズムのあり方じゃないかと思うのですが、そういう「負のレガシー」の検証もそっちのけで、しかも公共放送たるNHKが率先して上掲のような番組にばかり過度に傾倒しているというのは……やっぱりどう考えてもおかしいと思うんです。みなさんそんなに五輪がお好きなのかなあ。

*1:最新版のオリンピック憲章でも、“The Olympic Games are competitions between athletes in individual or team events and not between countries. (オリンピック競技大会は、個人種目または団体種目での選手間の競争であり、国家間の競争ではない)”と謳われているとなんど言ったら。