毎夕、夕飯を作りながら、あるいは食べながらBS-TBSの「報道1930」を見ています。毎回興味深いテーマで*1、しかもゲストの専門家にも論旨の巧拙があって面白いので、うなずきながら、あるいはツッコミを入れながら見ています。
ところで、BSの番組というのは高齢の富裕層が主な視聴者なのか、コマーシャルにはやたら投資だ資産だ健康だ……ってのが多いように思います。私など富裕層でもなんでもないので、全然興味のない(というか経済的に興味の持ちようのない)コマーシャルばかりで鼻白むのですが、ひとつだけちょっと興味を惹かれるのが「Kamine」というスポンサーのCMです。
“Time is life.”としか声が入らないこのCM、神戸は元町にある高級腕時計と宝飾品のお店みたいですね。ネットを検索したらこちらのウェブサイトがありましたし、YouTubeにはこのCMの動画もアップロードされていました。
ウェブサイトにある腕時計のラインナップには「パテック・フィリップ」とか「A.ランゲ&ゾーネ」とか「フランク・ミュラー」とか「パネライ」とかのブランドが並んでいて、どれも数百万円単位のお値段がついています。どなたが買うんですか、こんなにお高いの、と思いますけど、こうやって高級腕時計の専門店があって、TVCMまで流せるくらいなんですから、相当売れているんでしょうね。
そういえば先日、銀座の高級腕時計専門店で起きた強盗事件でも、奪われた腕時計は70数点で、被害額が2億5千万円相当と報道されていました。ということは、単純計算でも腕時計1点平均で約350万円ということですよね。そういう時計を買い求めるお客さんがいて、そういうお客さんだけを相手にする専門店が(しかも銀座で)成立するのだということそのものが、なんだか別世界の話のようですごいと思いました。
でも、実は私も若い頃はこうした腕時計に憧れていたことがあって、海外勤務で会社からお手当がけっこうついて、個人的にちょっとバブリーになっていた時期に「タグ・ホイヤー」のクロノグラフ(ストップウォッチがついてる)を買ったことがあります。正規販売店じゃなくて、吉祥寺あたりのディスカウントショップだったかな。それでも20数万円したと記憶しています。
この時計はいまでも持っていますけど、もう長い間使っていません。スマートフォンが普及してからというもの、スマホが時計代わりになっていて、腕時計そのものを使わない暮らしになりました。それにこのクロノグラフ、すごくゴツくて重いんですよね。腕に着けているだけで疲れるお年頃になったので、ますます遠ざかるように。
こんな無駄な出費をしてしまった若い頃の自分を「何考えてるんだ」と問い詰めたいです。この時計は一番年下の甥っ子が就職でもしたときに、プレゼントしようかな。あまり使っていないから、とってもきれいなままですし。