インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

だいたいいつもスピード診療

この歳になるまでありがたいことにおおむね健康で、歯科以外には病院のお世話になったことはほとんどありません。それでも何年かに一度は身体の不調やちょっとした怪我などで病院を訪れることがあります。

いわゆる「かかりつけ医」みたいな方は私にはいないので、そのつどインターネットで検索して、自宅か職場に近いところ、あるいは仕事のない時間に通えるところ、さらには「口コミ」で良さそうなところを探して受診しています。

きょうは近所の皮膚科に行きました。一週間ほど前から足の指に炎症ができて、最初は水虫のようなものだと思って市販の治療薬でごまかしていたのですが、だんだん他の指にも広がるとともに足の甲全体に痛みを覚えるようになり、歩くことすら苦痛になりつつあったので急いで受診したのです。

ポツポツとした発疹が増えていくような感じだったので、素人考えながらこれは「とびひ」みたいなものじゃないかと思いました。「とびひ」ってふつうは子供のときにかかるものですが、検索してみると大人でもまれに見られるそうです。

でも受診した皮膚科の先生は、私の発疹をちらっと見て「ま、水虫薬にかぶれたんでしょう」とだけおっしゃいました。そして「薬を出しときますね」と助手の先生に指示して、塗り薬を塗ってガーゼを巻いておしまい。あとは調剤薬局で薬を買うようにと。

私はもう少し自分の症状を、つまり炎症だけでなく痛みなども説明してより詳しいところを聞きたかったのですが、雰囲気的には「ハイおしまい、お大事にね」という感じで、ほんの数分で診療は終わってしまいました。先生は症状を見ている時間よりも、パソコンのカルテに記入している時間のほうが長かったです。それでも食い下がって、ガーゼは毎日変えたほうがいいのか、お風呂に入ってもいいのかなど聞き出しましたが(そういう説明すら向こうからはありませんでした)。

たまにお医者さんにかかるだけなので、これだけを持って今の医療は〜などと大言壮語を吐くつもりはありません。でもたまさか受診すると、いつも診療はそこそこに、カルテの記入と「お薬出しときます」で「ハイ次の方」となることが多いです。


https://www.irasutoya.com/2016/01/blog-post_278.html

お医者さんも、できるだけたくさんの患者さんを診なければ、つまり回転を良くしなければ稼げないという背景もあるのだと思います。でも……これが標準的な診療なんでしょうか。それとも幸いにも私の症状が軽すぎて受信するほどのものでもないということなのでしょうか。あるいは、もう少し探せば、もっと親身になって診てくださるお医者さんが見つかるのでしょうか。

とりあえず、処方してもらった薬で改善が見られないようなら、他の皮膚科を探してセカンドオピニオンを求めてみようと思います。

余談ですが、身体の不調を感じたときにインターネットの情報を検索しまくるのは逆に身体によくないですね。たいてい怖い話ばかり読んでしまって、本当に落ち込むから。先日読んだ真造圭伍氏の短編集『センチメンタル無反応』にも、そんな話が載っていました。