インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

冬季五輪をやってるって?

ジムでのパーソナルトレーニング中、インターバル時間にトレーナーさんから「北京五輪、見てます?」と聞かれました。私はまったく興味がないのでその旨話したら、トレーナーさんも「実は僕もです」とおっしゃっていました。職場でもまったく話題に上りませんし、各国の留学生のみなさんも、さらには中国人留学生でさえも、話題にしている人がいません。

昨年の夏の、いや一昨年の夏からの、いやいや、そのずっと以前からのあの騒動をうんざりするほど見せつけられてきた私としては、もう何のプラスの感情もわかないというのが正直なところです。それはコロナ禍に、心身共につらい留学生活を送る中で日本の五輪に対する体たらくを見せつけられてきた留学生諸君だって同じでしょう。いや、アレは実に近代五輪の変質と終焉(その役目はもう終わった)を物語る出来事ではありました。

なのに、新聞やテレビなど大手メディアの変わらなさといったらありません。日本の新聞やテレビにはもうほとんど愛想がつきかけていますが、受信料を払っているNHKも通常の番組を大幅にカットして膨大な時間を五輪中継に費やしています。私はNHK受信料についてはいろいろと不合理を感じますけど、「社会の公共財として、みんなで少しずつ負担して公共的なメディアを支えることで、民主主義の発展に寄与する」という観点で、応援のつもりで支払っています。でもここ数日は本当にうんざりです。

qianchong.hatenablog.com

紙の新聞も応援のつもりでずっと購読していますが、東京五輪の時にはほんの僅かながらも近代五輪の現状について懐疑的な論調も見られたものの、今回の北京冬季五輪はそれらを一切忘れてしまったかのように無邪気な報道、なかんずく相も変わらぬメダルの数と色の速報とポエム満載の叙情的な記事が大半です。新聞各紙は職場の図書館でも読めるし、家計も苦しいし、個人での購読はもうやめちゃおうかなと思っています。

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https://www.irasutoya.com/2014/02/blog-post_371.html