インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

お酒を飲まない半年間

お酒を飲まなくなってから半年ほどが過ぎようとしています。この間、文字通り一滴もお酒を飲みませんでした。あれだけお酒が好きだったのに、この変化には自分でも驚きます。しかも、努力して飲まないよう頑張っているわけでもなく、まったく飲みたいという気持ちが起こらなくなってしまったのです。

お酒を飲まなくなったせいか身体の調子もよいですし、夜に酔い潰れている時間がなくなって読書量が大幅に増えました。何も言うことはないはずです。でも、ここまで極端に自分の嗜好が変わるというのもちょっと心配になります。なぜって、お酒というものは、たんに嗜好品の飲み物であるという範疇にとどまらず、さまざまな物語が付随している存在だと思うからです。

ワインでもビールでも日本酒でも、それぞれの後ろにはそれを生み出す文化や産業(特に農業)の歴史があって、それを知ることがお酒を飲むことをより楽しくしていると思うのです。かつてワインを学んだときも、飲むこと自体もさることながら、文化や歴史を学ぶことの楽しみを同じくらい感じていました。

だから突然そういうものに食指が動かなくなってしまった自分を、多少いぶかしんでいるというのが正直なところです。「こんなに枯れちゃっていいのかしら」という。

まあ私は別に一生断酒しようと決めたわけではないので、また何かの折に飲みたくなったら飲んでみればよいのです。それでやっぱりお酒はもういいやと思えば、今度は本当にやめてしまえばいい。コロナ禍が収束して、またどこかへ旅行にでも行けるようになったら、その時はまたお酒を飲んでみようと思っています。

それにしても、かつてのあの飲まずにはいられない、たった一日でさえ休肝日を作ることができなかった頃の気持ちが、いまとなっては同じ自分とは思えなくくらいにとても不思議です。何かを習慣化するということが、いかに自分を変えるのかを強く感じているところです。

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▲本当にいろいろなイラストがありますねえ。
https://www.irasutoya.com/2017/09/blog-post_990.html