インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

もうちょっと現実的なところで社会情勢とリンクしてほしい

早朝から、ジムのパーソナルトレーニングに出かけてきました。ここのジムは朝10時から開いているのですが、休日の朝一番だと若いアスリートのみなさんはほとんどまだ出てきていないので、広いジムに私一人だけということもよくあります。というか、それを狙って休日の朝一番に行っています。

若いアスリートのみなさんは、そのほとんどが大学の体育会系の選手だそうですが、私が観察したところ七割から八割くらいはトレーニング中にマスクをしていません(トレーナーさんはもちろん全員しています)。それでいてけっこうおしゃべりしながらトレーニングしていたりして、私たちは学生さんたちとは多少距離は離れているとはいえ、傍目にはかなり危なっかしく感じます。

ことに若年層でも重症化リスクが高いとされるデルタ株の蔓延以降、ちょっと危なすぎるんじゃないかと思って、トレーナーさんには懸念を伝えました。聞けば体育会系の学生さんたちは、その多くが合宿所での集団生活であるよし。学生さんとはいえ、もうちょっと現実的なところで社会情勢とリンクしてほしいと思います。トレーナーさんによれば、私と同じように懸念を示して、というかご自身の仕事先からの指示などもあって、一時的にトレーニングを休んでいるビジネスパーソンは多いそうです。私もしばらく控えたほうがいいかな。

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https://www.irasutoya.com/2018/12/blog-post_60.html

それでも今日は、このひと月くらいずっとチャレンジしてきたベンチプレス75kgを挙げることができました。トレーナーさんいわく「ここまで来ると、もう筋力の問題じゃないですね。全身の使い方の問題です」。主に大胸筋を鍛えるベンチプレスですが、実のところ胸だけでなく背中やお尻や脚までが連携した動きをしないと数字は上がりません。その全身の連携が、かなり繊細かつ難解なのです。

しかもその全身の使い方は個々人によって様々です。人によってできること・できないことが違い、改善すべきポイントも千差万別だからです。ですから、例えば「筋トレ本」や雑誌などで説明されているポイントを読み、イラストや写真でフォームを確認したとしても、ある程度までは知識として蓄えられるものの、結果として現れにくいのではないかと個人的には思います。

パーソナルトレーニングに行く最も大きな理由は、ここにあります。個々人の長所や短所や身体の使い方の癖などを見極めた上で、きちんと言語化して目標を伝え、目の前でやって見せ、私たちがやっているときにもリアルタイムで補正する……そういった役割のためにパーソナルトレーナーさんは存在しているんですね。

だから本音では定期的にパーソナルトレーニングに通うのをやめたくはないのですが……。一度ジムの「おえらいさん」というか経営陣の方に、こちらの問題意識を伝えてみようかなと思っています。それでも改善されなければ、このジムとはご縁がなかったとして、通うのを諦めるしかありません。

でも、若いアスリートの学生さんもですけど、その学生さんを指導しているトレーナーさんたちのリスクも考えられるべきですよね。今日担当してくださったトレーナーさんにそう言ったら「いや、本当はそうなんですけどね……」と、ちょっと複雑な表情をされていました。うん、やっぱり経営者は雇用者の安全を確保しなきゃいけないですよ。

あんまり「自粛警察」的なことも言いたくないのですが、スポーツ業界界隈は今時のオリパラをめぐるアスリートや関係者の発言を見ても、ちょっと世間離れしすぎ、世間知らずでありすぎのような気がします。「もうちょっと現実的なところで社会情勢とリンクしてほしい」、つまりアスリートも社会の一員として、もう少し世の中のことを勉強してほしいと言ったら言い過ぎ……私もステイホームに完全に徹しないでジムにこそこそと出かけているので偉そうなことは言えませんが。