インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

脱マスクをそろそろ真剣に考えるべき

先日、東京新聞の朝刊にこんな記事が載っていました。

www.tokyo-np.co.jp
常にマスクをつけて人と相対するという、きわめて非日常的な風景が日常化して数年。これはそろそろ脱マスクを真剣に考えるべき時にきているのではないかと思わせる、かなり後味の悪い記事でした。

その翌日、毎朝通っている職場近くのジムから、コロナ対策の一部を変更(緩和)することになりましたというメールが来ました。日本フィットネス産業協会(FIA)の新型コロナウイルス感染拡大対応ガイドライン改定に伴った措置だそうです。このガイドライン改定はすでに今年7月に行われていて、それがようやく現場にまで降りてきたという感じですね。緩和というほどの変化ではありませんが、おおむね以下のような変更があるそうです。

●有酸素マシン(トレッドミルなどですね)の最前列のみ、会話を禁止した上で、 マスクを外して利用できるようになる。
●マシンやツール等の消毒が不要になる。
●お手洗いのハンドドライヤーの利用を再開する。
●スタジオレッスンの参加定員を変更する(増やすということなのでしょう)。

パンデミックの収束を見越して徐々にこうした措置を講じていくのはとてもいいことだと思います。二番目の、マシンやツールの消毒不要というのは、現時点でも使用後ろくに汗を拭きもしないで立ち去る人が多いことを考えると何となく受け入れがたいですが、まあこれはむしろ個々人が手指消毒する方が実質的な効果があるかなと思っています。

思い返せば、新型コロナウイルス感染症が流行し始めた最初の頃に、スポーツジムでの集団感染が大きく報道されました。アレに対するマスコミ各社の扇情的な報道が、各ジムにおいて大きな「トラウマ」になったようです。

以来、私が通っているジムでは、かなり負荷の高い運動をするときにも常にマスクを着用し、マスクを外すエリアでは会話厳禁という、考えてみればかなり異様な状況が続いてきました。「黙着(もくちゃく?)」という新しい日本語を大書した紙が今もロッカールームのあちこちに貼られています。黙って着替えろということですね。

私はもうひとつ、パーソナルトレーニングの別のジムにも通っています。ここはプロやセミプロのアスリートが自主トレをするような施設なのですが、ここを利用しているアスリートのみなさんは、ほとんどマスクをつけていません。現在はもちろん、コロナ禍が一番猖獗を極めていた頃でさえ、そうでした。

それでもクラスターなどが発生したという話もなければ、トレーナーさんたち(こちらは全員マスクをされているからか)が感染したという話もついに聞くことはありませんでした。う〜ん、よく分かりません。

私個人は、いずれのジムに行くときも必ずマスクをつけてきました。それはジムでの運動が(パーソナルトレーニングなど特に)ときにかなり「密」な状態を作り出すからですし、また呼吸が激しくなる・気合いで声が出るなど、感染拡大の観点からはかなりリスキーだと思っていたからです。

逆に現在私は、往来を歩くときには基本的にマスクをしていません。公共交通機関を利用するときも、かなり混んでいる時以外は外しています。でも東京での現状は、いまでも九割九分の方が常にマスクをつけています。正直に申し上げて私は、人々のマスクをつける・つけないの判断がかなり非合理的なんじゃないかと感じています。

この夏、アメリカに帰省してきた同僚が言っていたひとことがとても印象に残っています。いわく「アメリカではコロナは終わっていた」。つまりほとんどみんなマスクなどしていなかったのだと。日本の私たちはまだ全面的にマスクを外すところまでは行っていないけれど、もう少しひとりひとりが自分の頭で考えて、マスクを外すべきシーンを意識化していく必要があるのではないかと思いました。


https://www.irasutoya.com/2020/02/blog-post_418.html