インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

PCR検査の結果は「お墨付き」ではないですよね

ついに、というか、まあ当然というか、自分が担当している留学生にも新型コロナウイルス感染症の陽性と判定された人が出ました。私は週に一度しかその学生さんとは会わず、もとよりうちの学校は数週間前から遠隔授業に戻っていますから、私はいわゆる「濃厚接触者」には当たらないと言われているのですが、ひとり異国で学んでいる留学生の気持ちを考えると、なんだかとても心が落ち着きません。

もうひとり、別の留学生も味覚や嗅覚の異常を訴えていて、ただいま検査中です。ふたりとも若いので、電話で話した事務方の職員によるととても元気な声だということでした。それでもご本人はもちろん、クラスメートの留学生もけっこう不安に思っているようです。なかにはぜひともPCR検査を受けたいと事務方に強く要望を出している留学生もいるそうです。ご承知の通り、うちの国はPCR検査については極めて抑制的(?)ですから事務方も大変なようですが、それでも何人かは近日中に検査を受けられるよう手配ができたもよう。

ただ、素人考えなので間違っているかもしれませんが、いわゆるPCR検査というのは、自分を隔離するかどうかを判断するためのものですよね。無症状でも感染していて周囲にウイルスを拡散させないために、感染の有無を確認するためのものという理解でいいのかな。しかし留学生の中には「自分が感染しているかどうか」だけにフォーカスして検査の希望を強く訴えてくる人がいて、ちょっとこちらも困惑しています。

もちろん上述したように、ひとり異国でこういう状況に置かれ、なおかつクラスメートに陽性と判定された人が出たと聞いて、居ても立っても居られない気持ちになるのは痛いほどわかります。ただ、だからといって安心材料にしたいからといって検査を希望する人が殺到したら、検査や医療の現場は疲弊しますよね。それで私たちも、症状がないのであればなるべく外出を控える、三密を避ける、マスクや手洗いや消毒の励行で大丈夫ですよと声をかけるのですが、納得できないという人もいるのです。

まあ、最近の知見では、この感染症が治ったあとも後遺症が残る可能性があるとのことですから、無症状だから大丈夫とも無責任には言えません。それで事務方も東奔西走してくださっているのですが……。

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https://www.irasutoya.com/2020/02/blog-post_926.html

えーと、これも素人考えなんですけど、PCR検査って、その結果が仮に「陰性」だったとしても、その次の瞬間に感染しちゃう可能性はあるわけですよね。つまり「陰性=感染しない」じゃないから、絶対の安心材料にはならない。その意味ではむしろ「抗体検査」のほうが安心材料としては大きいような気がするので、学生さんにはそちらを勧めたほうがいいのかなと思うのですが、どうなんでしょう。