インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

海外からの郵便にときめく

先日フィンランド語の教室で講読をやっていたら、郵便局での会話が出てきました。先生によるとフィンランドは国内の郵便事情がとてもよく、海外への郵送も、例えば日本への普通郵便であっても約三日で届くのだそうです。「ひょっとしたら日本国内より速いかもしれませんね」と先生はおっしゃっていました。

でも、面白いのは国によって速さがずいぶん違うそうで、例えば同じEU圏のフランスへは一週間くらいかかるんだそうです。ということは、フィンランドの郵便事情だけでなくて、相手国の郵便事情も絡んでいるのかもしれないですね。

そういえばこの間、フィンランドのネット書店「SKS verkkokauppa」で教材のCDを注文したのですが、小包であっても五日で届きました。以前本を買った時も同じくらいで届きましたから、これが標準なんでしょう。

kirjat.finlit.fi

もっとも、38ユーロの商品を日本まで送ってもらうのに16ユーロかかり、さらに税金が加わって合計62ユーロになっちゃいますから、ちょっと割高です。台湾のネット書店もよく使うのですが、こちらも400元ほどのDVD一枚で運賃が250元ほどかかります。でもまあ、現地に行ってあちこち探し回って、それでも見つからない……という苦労をするよりは、こうやってネットで検索して「ポチ」のほうがずいぶん楽です。

f:id:QianChong:20200224164046j:plain

これだけ物流が発達した現代、海外から郵便や小包が届くのは日常茶飯事になりましたが、それでもこうやってはるばる遠くからやってきた荷物を受け取るとなんだかワクワクします。送り状に“posti(フィンランド語の「郵便」)”なんて書かれてあるだけでなんだかときめく。はるか遠い昔、海外の人と英語で文通していた頃のことを思い出します。

メールやショートメッセージなどが普及した現代では信じられないでしょうけど、昔は「コレポン(Correspondence)」、文通という趣味があったんですよ。文通相手は「ペンパル」とか言ったりしてね。郵便代金が安くなるように、うす〜い便箋に手紙をしたためて、赤青の縁取りがあるエアメール専用の封筒で送っていたのです(いまでもあるけど)。封筒のおもてに“PAR AVION“とか“VIA AIR MAIL”とか書いて。

いまでも海外からの荷物にどこかときめくのは、当時のあの感覚が身体に残っているからなのかもしれません。

f:id:QianChong:20200224164807p:plain
フィンランドの郵便配達員さんと切手。