深谷かほる氏のマンガ『夜廻り猫』に出てくるたべものには、無性に作りたくなる(それも夜遅くに)ものがいくつもあります。そのうちのひとつ「貧むす」。海老天じゃなくて、天かすが入ったおむすびなので「天むす」ならぬ「貧むす」なんですけど、三つ葉のみじん切りを入れるのが絶妙のバランスで「たいへん。いくつでも食べられる」(細君談)。
最近「悪魔のおにぎり」というのが流行ってますけど、これは貧むすにヒントを得て作られたのかしら。もうひとつ、主人公の遠藤平蔵と夜廻りを分担しているワカルが作る、ツナマヨのおにぎり。青じそでくるむ、というより下に敷いているだけですが、これもおいしいです。ちょっと食べにくいですが。
このおにぎりは名前がついていなかったのですが、検索してみたら作者ご自身がこんなツイートをされていました。
波津彬子先生が、
— 深谷かほる深谷薰「夜廻り猫」6巻 (@fukaya91) May 4, 2017
「わかっぺ・ツナ」
と命名してくださいました!
猫の手サイズのおむすびを青じそで巻き、何か載せたものを
わかっぺ・梅、
わかっぺ・焼肉、
わかっぺ・玉子などと使いましょー。 https://t.co/COF939mtUv
「貧むす」と「わかっぺ・ツナ」はいずれも第2巻に出てきます。
私、『夜廻り猫』に出てくるキャラクターの中では、このワカルが一番好きです。人の悩みを聞きに勝手に上がりこんで、「そおですよね〜」「わかります〜」と常に肯定して励まし、勝手にご飯を炊き始めるワカル。辛いことがあっても、ご飯を炊いて発泡酒を「プシュ」っと開けたら、なんだか明日も頑張れるような気がするじゃないですか。ああ、こういう存在になれたらいいなあといつも思います。自分自身も、人に対しても。