インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

初謡

もうすぐ2月の声を聞こうかというこの時期ですが、私が担当している留学生のとあるクラスは今日が新年最初の授業だったので、日本文化の紹介ということで「初謡(はつうたい)」を取り上げてみました。

初謡は「謡初(うたいぞめ)」ともいいますが、お正月に謡曲の謡い初めをする儀式です。江戸時代には武家などでは盛んに行われていたそうですが、現代の私たちの暮らしからはとうに失われていますよね。でも私の祖父くらいの年代までは、趣味で謡曲をやる方は多かったと聞いていますから、一般のお宅でも「初謡」をなさるところはあったのかもしれません。

謡(うたい:小謡)は、かつては暮らしの端々に彩りを添えていたもので、いちばん有名なところでは結婚式で謡われる「高砂(たかさご)」があります。私も子供の頃に出席した親戚の披露宴で、「〽高砂や〜」と謡っているおじいさんを見た記憶があります。ほかにも家を建てる際の上棟式とか、お葬式などでも謡われていたのだとか。

授業では小謡の「高砂」と「千秋楽」を紹介し、練習してみました。練習といっても謡本の横についている符号(ゴマ点・ゴマ譜)について私が簡単に説明し、YouTubeにあった能楽喜多流・大島輝久師の声に合わせてみんなで謡ってみただけですが。


www.youtube.com

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お正月気分はとうに抜けきっていますが、中国語圏の春節はつい先日だったので、まあいいかな。少しはおめでたい気分を味わっていただけたでしょうか。