インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

声が大きすぎる

先日オンライン授業で話していたら、留学生の生徒さんから「センセ、音声の状態が悪くて聞こえません」と言われました。声がとぎれとぎれになったり、音が割れて雑音が入ったりするのだそうです。

その授業の生徒数はそれほど多くなく、しかも私以外は全員音声をミュートにしていたので、通信環境が悪くなって音質が低下したわけではなさそうです(これは話す側に非常な「孤独感」をもたらすので、私は苦手、というか「心折れそう」になるのですが、通信の安定上仕方がありません)。

おかしいなと思ってあれこれ設定を確認しては生徒さんに「いま聞こえますか?」とか「音の感じはどうですか?」などと確認していたのですが、ようやく原因がわかりました。私がMacBookに近づきすぎると音が歪むらしいのです。

私はMacBookWi-Fiでオンライン授業をしていています。音声の入力も出力もMacBook自体のマイクとスピーカーを使っているのですが、私がマイクと適度な距離を取っていないと上述したような症状が起きるのだとわかりました。要するに、マイクにとって私の声の発生源が近すぎ、かつ声が大きすぎるのが原因だったようです。

私はもともと地声が大きい方で、ついつい人様よりも大きな声で話してひんしゅくを買うことが昔からよくありました。例えば電話をしているときなどもつい大声で話してしまうので、周りが迷惑だけでなく、受話器を耳に当てている先方にも大迷惑……という。


https://www.irasutoya.com/2020/01/blog-post_651.html

だいたいマイクを通しているのですから、それほど大きな声で話す必要はないのです。機器を通すので比較的抑制した声で話すことが推奨されている同時通訳のときにもついつい大声になってしまって、そのたびに「いけない、いけない」と声を抑えることがしょっちゅうでした。そして今回、オンライン授業でも同じ轍を踏んでしまったというわけです。

なかなか改まらない悪弊ですが、どうも私は緊張すると声が大きくなるみたいです。もともと人と話すのがとても苦手な人間なので、つい緊張して声が大きくなる。通訳はもちろん、電話するときもそうですし、授業のときもそうです。もう数え切れないくらい人前で話してきているのに、いまだに授業の前は緊張します。

こういう生来の悪弊(生来でもないですか。学生時代に演劇の発生訓練をやりすぎたのが原因だと思います)はもう改まらないと思うので、機械的に何とか声を抑制するしかないかもしれません。

だいたいコロナ禍に突入して二年以上が経つというのに、いまだにノートパソコンのデフォルトのマイクとスピーカーで授業をしているというのがおかしいのです。ちゃんと機器を揃えなきゃいけないですね。

学校側には専用のスタジオスペースを作るなどしてほしいと要望しているのですが、結局この二年間ほとんど何も変わりませんでした。こと教育機器に関しては、予算の都合もあって改善の進み方がとても遅いです(うちは母体がとても大きいので、なおさら)。マイクだけでも自腹で購入しようかなと考えています。