インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

爪切りと「ポイ捨て」

先日、東京都内の交差点で信号待ちをしていたら、かすかな「パチン、パチン」という音が聞こえてきました。なんだろうと思ったら、目の前にいたスーツ姿の男性が爪を切っているのでした。青信号になると、男性は爪切りの中にたまっていたとおぼしき爪を「ざらざらっ」と地面に捨てて、そのまま歩いて行きました。

往来で爪を切るというのもそうですが、その爪を「ポイ捨て」していくというのもなんだかガサツだなあ。でも以前常磐線の電車内で爪を切っている男性がいて、駅に着くやその爪を床に「ざらざらっ」とやっていた人を見かけましたから、それよりはマシかもしれません。

米国人の配偶者がいる同僚によると、欧米では人前で爪を切ることを「はしたない」と感じており、極端に恥ずかしがるそうです。ようは人前で鼻の穴や耳の穴をほじるような感じなのだと。へええ、そうなんですか。初めて知ったのでネットで検索してみたら、こんなページがありました。

akkop.net

なるほど、爪を切る=排泄行為であり、バスルーム(お手洗い)でひとりでするものという感覚なんですね。となると、くだんの男性諸氏を欧米の方が見かけたとしたら、それはそれは驚くでしょうね。

余談ですが、華人留学生の通訳クラスで「ゴミのポイ捨て」という言葉が出てきたら、クラスの全員が「ポイ捨て」を初耳だと言っていました。「捨てる」は分かるけど「ポイ」は何だと。「ゴミをポイッと捨てるから『ポイ捨て』です」と説明しても、あまり納得できていないようす。みなさん来日して数年、もう日本語はかなり上手ですが、こういう擬態語はなかなか浸透しないものなのかなと思いました。

f:id:QianChong:20220128102048p:plain
https://www.irasutoya.com/2014/03/blog-post_4200.html