インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

フィンランド語 128 …可能法現在形と完了形

新しい文法事項として「可能法」というのが出てきました。「おそらく〜だ」とか「〜かもしれない」といった意味を表します。これは基本的に書き言葉でしか使われないとのこと(例えば物語を朗読しているときなどには使われることも)です。断定を避けるという意味では、これまでに“ehkä”をはじめ、“kai”“valmaan”“luultavasti”“mahdollisesti”“kenties”“kai”などが使えました。口語(もちろん文章でも)ではこれらが用いられるということですね。

Ehkä hän on suomalainen.
あの人はたぶんフィンランド人です。

これが可能法ではこうなります。

Hän lienee suomalainen.
あの人はたぶんフィンランド人です。

“lienee”という見慣れない単語が出てきましたが、これは“olla”の可能法三人称単数の形。つまり可能法とは、動詞自身が断定を避ける「おそらく〜だ」という意味を持つんですね。“olla”はこのように変化します。

lienen lienemme
lienet lienette
lienee lienevät

否定はもちろんこうなります。

en liene emme liene
et liene ette liene
ei liene eivät liene

こうした特殊な変化をするのは“olla”だけで、ほかの動詞は過去分詞の“nut/nyt”の代わりに“ne”をつけ、さらに人称語尾がつく形です。

動詞 過去分詞 可能法
nukkua nukkunut nukkune+n,t,e,mme,tte,vAt
syödä syönyt syöne+n,t,e,mme,tte,vAt
tykätä tykännyt tykänne+n,t,e,mme,tte,vAt
nousta noussut nousse+n,t,e,mme,tte,vAt
ajatella ajatellut ajatelle+n,t,e,mme,tte,vAt
mennä mennyt menne+n,t,e,mme,tte,vAt
purra purrut purre+n,t,e,mme,tte,vAt
haluta halunnut halunne+n,t,e,mme,tte,vAt
häiritä häirinnyt häirinne+n,t,e,mme,tte,vAt
kyetä kyennyt kyenne+n,t,e ,mme,tte,vAt

kpt の変化もないので比較的楽ですが、例えば“ajatella”などは可能法現在形一人称単数の“ajatellen(おそらく考える)”と第二不定詞具格の“ajatellen(考えながら〜する)”がまったく同じ形になるので、文脈から判断する必要があります。

可能法には完了時制もあって、それは上掲の“olla”の可能法に動詞の過去分詞を組み合わせます。

lienen sanonut lienemme sanoneet
lienet sanonut lienette sanoneet
lienee sanonut lienevät sanoneet

複数では過去分詞も複数形になるので注意が必要です。

f:id:QianChong:20190812215320j:plain
Oikealla olevan poika lienee eri mieltä kuin vasemmalla olevan poika.