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フィンランド語 91 …分詞構文

教科書は新しい課に入って、「分詞構文」という文法事項が出てきました。これは書き言葉で圧倒的に多く用いられるものだそうです。分詞構文は二つあって、現在分詞の分詞構文と過去分詞の分詞構文をそれぞれ習いました。この構文は、口語では“että(英語の関係代名詞 that みたいなもの)”を使って言っていた文を書き言葉的に表すものらしいです。

Seppo sanoi, että Pekka on kotona.
ペッカは家にいるとセッポは言いました。
= Seppo sanoi Pekan olevan kotona.

下の文が分詞構文ですが、“että”が消えて、目的語が属格になり、動詞が現在分詞の対格になっています。この構文は動詞の目的語が“että”以下になっており、かつ肯定文でしか使えないそうです。だから例えば“Minua suututtaa se, että 〜”みたいな文章には使えません。しかも“että”以下の時制は動詞と同じか新しくなければいけません。“että”以下の時制が動詞よりも古い場合は、過去分詞の分詞構文を使うそうです。

Seppo sanoi, että Pekka on ollut kotona.
= Seppo sanoi Pekan olleen kotona.

さらに“että”以下の主語が人称代名詞のときには注意が必要です。

Antti uskoo, että hän tekee oikein.
アンッティは「彼」が正しいと信じています。
= ① Antti uskoo tekevänsä oikein.
= ② Antti uskoo hänen tekevänsä oikein.

分詞構文にしたとき、人称代名詞の属格“hänen”を入れるか入れないかで意味が変わります。①は「アンッティは彼(自分)が正しいと信じています」で、②は「アンッティは彼(アンッティ以外の誰か)が正しいと信じています」となるんだとか。しかも“että”以下の主語が人称代名詞の時は、分詞に所有接尾辞をつけるんですね。

Minä tiedän että minä olen oikeassa.
私は自分が正しいことを知っています。
= Minä tiedän minun olevani oikeassa.
= Minä tiedän olevani oikeassa.

この“minun”は「自分か、自分以外の誰か」という選択がありえないので、あってもなくてもよいそうです。

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Minä luulin hänen asuvan Tampereella.