サーモンのスープを作りました。サーモン以外にも野菜をたくさん入れた、飲むスープというより食べるスープです。初めてフィンランドに行った時に食べたこのタイプのスープがおいしかったので、それ以来何度も作っています。
後にフィンランド語を学び始めて知ったのですが、フィンランド語でこのサーモンのスープは「lohikeitto」。「lohi(ロヒ)」がサーモンで「keitto(ケイット)」がスープです。ちなみにフィンランド語で台所(キッチン)は「keittiö(ケイッティオ)」、料理する(煮る・沸かす)という動詞は「keittää(ケイッター)」。というわけで「keitto」は単にスープというより、日本語でいえば「ごはん」くらいのニュアンスなのかもしれません。具だくさんのこうしたスープが、ミートボールよりもトナカイ肉の煮込みよりもよりフィンランドらしい庶民的料理の代表格なのかなと勝手に想像しています。
こちらはヘルシンキの庶民的なレストラン「コルメ・クルーヌア」で食べた「lohikeitto」です。
このスープにはディルが欠かせません。何度も作ってみて分かったのは、このスープの決め手は、仕上げに散らす多めのディルにあることでした。魚の臭みを消してさらに爽やかな香りを足すためなので、お飾り程度ではなくどさっと入れるのです。本場のレシピはまったく知らずに作っているのですが、細かく切った野菜を三〜四種類くらい入れると味に深みが出るようです。あと、生クリームも(まあバターや生クリームを入れればたいていのスープやシチューはおいしくできちゃうのですが)。
同じような作り方をするミネストローネだと、生クリームは使いませんがニンニクをみじん切りにして入れたいところ。ですが、私はこのスープには入れないほうがいいような気がします。なんとなく、ニンニクを入れると南の地方の料理っぽくなるような気がするのです。北欧のスープはもう少しシンプルな方が「らしい」かなと思います(たんなる個人的な妄想です)。