先週この記事を拝見して、週末は絶対に牡蠣フライを揚げよう! と思いました。
スーパーに行くと牡蠣は「加熱用」と「生食用」の二つが売られていて、かつて私は、鮮度がいい方が「生食用」だと思って、いつもこちらで牡蠣フライを作っていたのですが、実はそういうことではないんですね。こちらの記事でそれを知りました。
それで「加熱用」を使って牡蠣フライを作ってみたら、明らかにこちらの方がおいしい。いや、なにごとも思い込みは禁物です。
まず牡蠣を塩でそっともんで(あるいはざるに入れて優しく振っても)「灰汁」みたいなのをしっかり出したら水でよく洗い、キッチンタオルで水気を取って小麦粉をまぶし、大きいものはそのまま、小さいものはふたつ合わせて溶き卵にくぐらせ*1、パン粉をしっかりつけて新しい油で揚げるだけ。牡蠣フライって、一つ一つの作業を丁寧に行うことだけがコツみたいなもので、それほど難しい料理ではありません。
牡蠣フライを揚げているといろいろなことを思い出します。
お義父さんがまだ生きていたときにも何度か揚げました。狭い家で同居していたときのあれこれが胸に去来して、ちょっと泣けてきます。若い頃、小さな出版社で編集者をしていて、コラムを担当してくださっていた映画評論家のおばさん(失礼)宅にうかがってパソコンやネット環境のセッティングを手伝ったお礼に「お座敷牡蠣フライ」をごちそうになったことも思い出しました。
独身の評論家氏は南青山のマンションの一室にたくさんの猫と一緒に住んでいて、ヘビースモーカーでしたが料理が天才的に上手な方でした。タバコの煙には閉口したけど、あの牡蠣フライはおいしかった。ダイニングテーブルで牡蠣を揚げながら突然「ねえ、あんた私と結婚しない?」と言われて絶句したのもいい思い出です。私がどぎまぎしているので「意外にナイーブ」とか言われましたが、ちょっと映画の見過ぎじゃないかとも思いました。
あああ、書いていたらまた食べたくなってきました。たぶん今週末も、揚げます。ちなみに牡蠣フライに添えるのはソースでもいいですけど、こちらで紹介されているキャベツをたくさん使ったコールスロー風のタルタルソースがもんのすごくおいしくておすすめです。
*1:これが定番ですけど、こないだNHKの「ガッテン!」で「バッター液」を使う方法を紹介していて、とてもおいしそうだったので今度試してみようと思います。