インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

行かない理由って逆に何?

いわゆる「男性版更年期障害」とでも言うべき不定愁訴に苛まされ、夜も寝られないほどの肩凝りと慢性的な腰痛、さらには高めで推移し続ける血圧に音を上げて、トレーナーさんに一対一で指導してもらう体幹レーニングと筋トレを初めて約一年、血圧を除けば健康状態はかなり改善してきました。

特に最近は筋トレをメインに据えつつあるのですが、三日も空けると何だかからだが「むずむず」して落ち着かない感じに。というわけで、予定が立て込んでジムに行けないときでも、教わったいくつかのメニューを自宅や職場でこなすようになりました。端的に言って「楽しい」です。楽しくなって、継続が途切れると気持ち悪いと思えるくらい習慣化できてしまえばこっちのものです。

ところで「筋トレをやっている」と言うと、たいていの方が怪訝な顔をされます。特にこの歳でやっていると言うと。どうやらみなさん「筋トレ=ボディビル」みたいなイメージなんですね。かの「ライザップ」のCM的な、ムキムキでマッチョで、色黒で肌がテカテカしていて……という感じ。へたをするとボディビルのコンテストみたいに「ポージング」してるんじゃないかと誤解する方までいたりして。「気持ち悪くない?」……って、ちょっとそれ、ボディビルをやってらっしゃる方に対しても失礼ですから。

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https://www.irasutoya.com/2015/07/blog-post_728.html

えーと、私がやっている筋トレは、もちろん全然違うものです。まあそれなりに筋肉はついて精悍な感じにはなってきますけど、あくまでも肩凝りや腰痛の予防と健康維持が目的のもの。50歳を超えてあとは衰えていく一方の身体を何とか健康な状態に保っておきたいというスタンスです。ブログ『脇見運転』の酔漢氏がおっしゃっていた「健康じゃないと死ぬ」というその感覚、本当によく分かります。この歳だからこそ積極的に身体を動かさないと、も~、ホントに老化一直線だと思うのです。

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私が通っているジムは、主に学生や社会人、そしてプロの運動選手のみなさんが調整を行う場所です。ただ割合から言えばごく少数ではありますが、私のような中壮年のおじさん・おばさんがたも散見されます。先日トレーナーさんに「私と同年代の方は、みなさん健康増進が目的なんでしょうかね」と聞いてみたら「いえ、実はそういう方は少なくて、ほとんどは趣味でスポーツをされていて、そのための調整目的で通われています」とのこと。

なるほど、これは意外でした。でも私は、私のようにスポーツなんて全然やってない(というか、からっきし苦手)中壮年にこそ筋トレなどのトレーニングはおすすめだと思います。筋トレのよさについてはこれまでにも色々とエントリを上げてきましたが、最近感じているのは「自分がいかに非力であるかを思い知らされることの良さ」です。

なんだかマゾヒズムめいていますが、こういうことです。ジムでは、プロやセミプロ級のアスリート、またスポーツに長けた中壮年層がトレーニングをしている横で、私のような門外漢がうんうんうなりながら身体を動かしています。体幹レーニングひとつとってみても、手や足は真っ直ぐ伸びないし、腹筋は弱くて上体も少ししか上がらないし、身体を捻ると攣りそうになるし、ベンチプレスや懸垂はいつもギリギリで常にトレーナーさんのサポートをもらっているし、とにかくまあ、なんというか、無様なのです。

でも、この歳になって無様な姿を人目にさらす場面ってそんなにないじゃないですか。いくら自分で気をつけていても年相応にメンツみたいなものが介在してくるし、歳を取って狡猾になるのか、若気の至りや青臭い行動・言動もうまく回避したり糊塗したりするスキルや処世術がそこそこ身についちゃってる。なのにジムのトレーニングは非力を糊塗しようがないのです。如実に無様な姿を晒してしまいます。晒さざるを得ない。

こないだなど、雨天でトレーニングしている方が少なかったなか、私が懸垂でうんうんうなっていたら、いつの間にかジム中の方が私に目を向けていて、衆人環視の中うなり続けることになりました。やりにくいことこの上ありません。でも何とかそのセットを終えて床にへばっていたら、みなさんが「すごい、すごい」って拍手をしてくれました。レストランで急に照明が消えて「♪Happy birthday to you」を歌われるくらい小っ恥ずかしいですが、こういう風にほめてもらえることなどそうあるものではありません。

いま通っているジムは、パーソナルトレーニングが主体の施設ですけれど、予約不要でいつでも行けて、トレーニングウェアも靴も全部貸してくれるので手ぶらで通えます。トレーナーさんは毎回違いますが、カルテがつけられているのでトレーニング内容はきちんと引き継がれます。私のような体育が苦手でトラウマになっているような人間でも、ほんのちょっとした進歩を褒められ、拍手までされる。もちろんこちらは「お客さん」だからお愛想といえばそれまでですが、素直にうれしいです。

身体能力がどんどん衰えていく中壮年層の私たち。白髪染めのCMじゃないですけど、「ジムに行かない理由って逆に何?」という感じです。

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