インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

銀行の窓口が減っていた

かつて銀行の預金通帳というものがありました。いや、いまでもあるはずですけど、私はもうずいぶん前から使わなくなりました。もっぱらパソコンやスマートフォンなどでオンラインの口座を利用しているからです。ふだんはほぼキャッシュレスの生活なので、ATMを利用することもまれです。というわけでキャッシュカードもほとんど使わなくなりました。

気がついたらそういう暮らしになっていました。銀行といえば通帳とハンコと持参で〜とか、平日の三時までしか開いてないから会社を抜け出すのが面倒で〜とか、お若い方には「いったい何を言っているのか」と訝しがられるような時代があったなんて、なんだか自分でも信じられません。銀行の窓口自体、訪れることはほとんどなくなりました。

とはいえ私、二年に一度くらいの頻度で銀行の窓口に出向くことがあります。それは新札(ピン札)をまとめて入手するためです。趣味で続けているお能の月謝は、いつも祝儀袋に新札を入れてお渡ししているのです。利便性からすれば、おそらくお師匠も振り込みのほうが助かるのではないかとも思うのですが、毎月手渡しするというのも含めての伝統芸能のお稽古かなと。こうやって書いてみると説得力はゼロですが。

先日も職場の昼休みに新宿駅周辺の銀行へ出向いたのですが、かつて駅周辺にいくつかあった大手銀行の支店は経費削減と業態変更に伴ってほとんどが移転、あるいはひとところに集約され、かつての風景はかなり様変わりしています。街に残っているのはATMばかり。これも気がついたらそういうことになっていました。

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今回私は、自分の口座を持っている三菱UFJ銀行へ行ったのですが、新宿駅周辺の支店はほとんどが新宿エルタワーの20階だか21階だかに集約されています。ここは地下街から2階まで上がって、さらにエレベーターに乗る必要があり、けっこう面倒です。支店自体もどこか無機質な内装で、窓口ではかなり待たねばならず、ある程度以上の新札入手、つまり紙幣の両替には手数料もかかります。もちろんこれらに異存はないのですが、銀行側からはどことなく「あまり窓口に来ないでほしい」というオーラのようなものが感じられます。

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かくなるうえは、ATMに新札両替機能がつくといいなと思います。手数料をお支払いしてもいいですから。来年(2024年)上半期にも予定されているという日本銀行券の刷新とともにATMも総入れ替えとなるのでしょうから、その時に機能を追加してもらえたらうれしい……けど、そもそも冠婚葬祭を除けば新札で受け渡しすることそのものの意義がどんどん薄れている昨今、そんなニーズはほとんどないでしょうねえ。


https://www.irasutoya.com/2014/02/atm.html