衆議院議員選挙が迫ってきました。同時に行われる最高裁判所裁判官の国民審査について、今朝の新聞にはそれぞれの裁判官へのアンケート結果が載っていました。今朝の論点は選択的夫婦別姓を認めない民法の規定について違憲かどうかを問うた判決に関するものです。
私はこの制度、ほとんど形骸化しているなと思いつつも、毎回それぞれの裁判官の考え方を検討して「×」をつける人を選んできました。今回ももちろん、この判決内容を参考にして決めます。
ところで今回の選挙の大きな争点になりつつある多様性を認めるかどうかという問題、とりわけ選択的夫婦別姓と同性婚の容認について、サイボウズの青野慶久氏らが「ヤシノミ作戦」という運動を展開しておられます。
「選択的夫婦別姓や同性婚を進めない政治家をヤシノミのように落とすことで、結果として賛成する政治家を増やし、制度の早期実現を目指す活動です」。いいですね。さっそくクラファンでカンパしてきました。しかも同作戦のウェブサイトには衆院選における「ヤシノミ候補」の一覧もあって、それぞれの候補の、選択的夫婦別姓と同性婚に対する考え方が分かります。
この件に関しては、ほんの少し前にも同様のサイトがあって、そこでは各現役議員の考え方が一覧できました。驚いたことに立憲民主党の枝野党首でさえ「どちらかといえば賛成」でした。2021年の今になってさえ、こんな当たり前の選択すら躊躇するなんて、何をヌルいことを言っているのかと憤慨したものです。そのサイトでは全員ハッキリと賛成していたのは日本共産党だけでした。
ところが「ヤシノミ作戦」のサイトにある一覧では、枝野氏も「賛成」になっていました。世論の動きを見て、より積極姿勢に転じたのかもしれません。
先日行われた日本記者クラブ主催の公開討論会におけるこの写真が象徴的でした。選択的夫婦別姓への賛否を問われた際に唯一自民党の岸田首相だけが挙手しなかった場面です。比例代表はどの政党に入れるか、私はもうほぼ決めました。
ところが、小選挙区の投票についてちょっと困ったことになりました。NHKが各選挙区の候補者の政見についてまとめています。うちの選挙区は自民・維新・立民の三候補がいるのですが、なんとこんな感じなのです。
選択的夫婦別姓 | 同性婚 | |
自民の候補 | 賛成 | 反対 |
維新の候補 | 賛成 | 賛成 |
立民の候補 | どちらかといえば賛成 | どちらかといえば賛成 |
おいおい立民の候補、なにをまたまたヌルいことを言っているんですか。これじゃ維新か、下手をしたら他の政見も勘案した上で自民の候補に入れざるを得ないではないですか。個人的には、ここ十年ほどの政治を見てきた上でもそれは絶対にしたくない。しかし……。
夫婦別姓は多くの国でごく当たり前のことになっていますし、同性婚も多くの国々で議論が行われ、個々人の自由と多様性を擁護する観点から容認する動きが加速しています。かつてニュージーランドで同性婚が合法化された際、国会議員が行ったこちらの非常に有名なスピーチは、簡にして要を得ています。
個々人の、それぞれに違う形の幸せを全力で応援すべきという、ごくごく当たり前の見識さえ「ハッキリと」持てないヌルい政治家を国会に送りたくはありません。この件、もうちょっと考えようと思っています。