インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

本を読まないとバカになる

先日Twitterで「読書の秋」に読みたい書籍100選というツイートが話題に、というか「炎上」していました。元のツイートは削除されてしまったようですが、おそらくそこに並んでいた書籍がほぼいわゆる「自己啓発本」のたぐいだったのと、そうした本を読んでこそ社会の上層・上流に行けるという価値観が感じられたのとで、読書好きを持って任じる方々が激烈に反応されたようです。

確かに私も、あのツイートで推されていた自己啓発本の数々だけでなく、ひろく優れた文学書や歴史書学術書、あるいは古典にできるだけ触れるほうがよほど人生の糧になるんじゃないかとは思います。自己啓発本はとにかく手っ取り早く人生のノウハウを教えてくれるような魅力があって、しかも実際読んでいるときは謎の高揚感や全能感に囚われる、いわばドラッグのようなもの、あるいはポルノのようなものですから。

ただ、あのツイートにあった100冊の中にはそうした自己啓発本とくくってしまうのはいささか乱暴な本も含まれていましたし、私も読んで自分の糧になったものがいくつかありました。その意味ではちょっと叩かれすぎではないかという気もしていました。ともあれ、みなさん読書についてはそれぞれ一家言あり、人にお勧めしたくて仕方がない本があるものなのだなと感じ入った次第。

Twitterという特殊な環境だからかもしれませんけど、種々の調査で(たとえばこれ*1)日本人の読書離れだの、諸外国に比べて読書量が少ないだのと言われているわりには、読書にこだわりのある方はまだまだ大勢いらっしゃるんですね。

折しも昨日、「読書の秋」に呼応するような特集を掲げた雑誌を、書店で2冊購入しました。いずれもマガジンハウスの雑誌で、ひとつは『BRUTUS村上春樹特集号「『読む。』篇」、もうひとつは『POPEYE』の特別編集号「僕たちはこんな本を読んできた」です。

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BRUTUS(ブルータス) 2021年 10月15日号 No.948 [特集 村上春樹 上 「読む。」編] [雑誌]

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POPEYE特別編集 僕たちはこんな本を読んできた

前者の村上春樹特集は、これはまあ早大のあの施設開館とタイアップで企画されたのでしょうけど、後者のブックガイドはお若い方向けにこれだけの特集がまだ組めるんだというちょっとした驚きがありました。いや、それはお若い方々をバカにしすぎですね。各種調査とはうらはらに、けっこう読書好きの層はまだまだ厚いのかな。

ただ、作家である村上春樹氏の選になる51冊は当たり前としても、『POPEYE』のブックガイドもその大半が文芸や文化系の書籍であるのはちょっと偏りがありすぎるかなと思いました。自然科学や人文社会や、さらには古典などをその道のド素人(私のような)が読んでも、ときに大きな人生の糧になることがあるんじゃないかと思うからです。

ともあれ「本を読まないとバカになる」。種々のブックガイドを参考に、これからも本にだけはあまりお金をケチらないでいようと思ったのでした。そういえばこれも昨日、Amazonでこんな本を見つけました。

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Bowie's Books——デヴィッド・ボウイの人生を変えた100冊

これはおもしろそう。さっそく購入しました。

*1:「1か月に大体何冊くらい本を読むか」を尋ねた結果、47.3%が「1冊も読まない」と答えた(2019年)そうです。